ThinkPadと並べて、年代順に動きを書いてみましょう。
94/06 TP230Cs 486SX-33/DX2-50 42mm,1.7kg
94/12 DEC、DHU 486SX-33/DX2-50/DX4-75 25.5-30.5mm,1.8kg
95/03 TP701C DX4-75 バタフライKB 44mm,2.0kg
95/11? DEC、DHU2 Pentium 100 SVGA 28.2mm,1.8kg
96/04 ThinkPad MobileTriton Model投入(TP365X等)
96/05 TP560 A4 UltraSlim,10.4"SVGA P5-100/120/133 31mm,1.9kg
96/06 TP535 530CS後継,10.4",SVGA 41mm,1.7kg
96/08 新DHUII P5-133/150 30.5mmと少し厚くなる
96/11 DEC、DHUII 2周年記念値下げ
96/12 ソーテック CD-ROM内蔵 厚さ39.4mm WinBook Slim133
97/09 DEC、DHUII2000 MMX-166/266,14.1"XGA
97/11 SONY、VAIO-505
98/05 TP600 36.5mm,2.3-2.5kg
98/10 Compaq DHUベースのARMADA 6500、別のスリムノート3500slimも
98/12 ARMADA 6500 35mm,2.7〜2.9Kg
DHU継承のPRESARIO 1900シリーズ
99/04 TP570 28mm 1.83kg
99/07 DHUを小型化したB5サブノート ARMADA M300
00/02 新Presario Sereis *PRESARIO1900 Series終了の模様
01/02 新PRESARIO 1700 Series 新ケース
01/05 Evoシリーズで全ラインナップが切り替わったようです。
【樹形図】
樹形図のように書いてみると下記のようになります。
上からDEC/Compaq、日本IBM、SONYです。
94/11 95/11 96/08---97/09-----98/10-------99/07-------01/02--01/05
DHU---DHUII--新DHUII--DHU2000--Armada6500----×
M300(B5に縮小)------×
Evo--
Presario1900----------------×
96/05---97/06-97/11-98/09----99/04----00/09-------01/04-01/10-02/02
560---560E--560X--560Z------570------×
X20----------X21--X22---X23
サイズ縮小
97/11-----------99/05,06----00/05-----01/04---------
505------------Z505/N505--Z505,SR9---R505---------
【サイズの比較】
(W) (D) (H) (Kg)
TP230Cs 235 171 42 1.7
TP701C/CS 247 201 44 2.0
弁当箱TP(ジャストA4) 297 210 43〜56 2.8〜
DHU1 280 216 25.5/30.5 1.8 *25.5:Mono
Color
DHU2 280 216 28.2/30.5 1.8/1.9
TP560 297 222 31 1.9
VAIO505 259 208 23.9 1.35
TP535 241 186 41 1.7
TP380 300 233 62 3.0
TP600 300 240 36.5 2.3-2.5
TP570 300 240 28 1.83
【HiNoteはVAIO505の祖先か】
ユーザーの方の作られたサイトを見て感じたのは、ThinkPadユーザーでは
あまり気にしない、TP560とのわずかな寸法差(TP560の方がちょっとだけ
大きいです)が意外に障壁になって、ThinkPadに移行できずにいた、という
点です。
そういうところに、DHUIIより一回り小さいVAIO-505が登場し、飛びついた
原因があるようにも見えます。DHUIIの後継が見えない状態に、同系統の
スリムでスタイリッシュなマシンが登場した訳ですから。スタイリッシュの系譜、
とでも言えるでしょう。
事は感性のレベルのように思われます。ちょっとさじ投げ状態です。
【感想】
DHUII→VAIOという方は、しょせんThinkPadとは縁の無かった人達ですね。
真っ黒、黒助のThinkPadではいかんしがたいものがあります。せいぜいs30
のピアノ地が限界です。
第一、フル装備のDHUiIと、各種I/Fを切り捨ててまでコンパクト化したVAIO
505が同種だなんて、ThinkPadユーザーには考えられないんじゃないでしょうか。
デザインだけで中はどうでもよい、というのであれば可能ですが、私の感覚
では、あまりにかけ離れて理解できません。「仕事のツール」と「大人のおもちゃ」
が同じに感じられるなんて、ですが、一脈通じるのでしょう。まぁ私はそっちの
方のセンスはありませんので。
VAIO505の薄さの追求は差別化の手段としてz軸を縮小することで成し遂げ
られた訳ですが、特にDHUから影響を受けた、という訳でもないようです。
しかし、ユーザーがそう感じた、あるいは、そう思いたがっているのでは
今回の作業の発端になった「HiNote UltraがVAIO505の祖先だ」をむげに
否定もできません。もう少し早くX20が登場していれば、また流れも変わった
かもしれませんが、X20にはTP570という手順が必要でした。
その割り切りの良さで可能になったコンパクト&スリムがVAIO505を一般の
人間に浸透させる原動力になった訳ですから、発想が実用・ビジネスという
ThinkPadが敵う訳ありません。ベクトルが違うというか、いわば宇宙人と話を
するようなものです。
割り切って商売するのなら、大衆迎合路線でも良いのかもしれませんが、
結局ThinkPadは自分の得意とするビジネス分野に特化することになります。
自ら退いた市場が美味しいかどうかは今後の業績が示すことになるのでしょう。
限られたパイで地歩を固められるか、あるいは、圧倒的な個人市場を制した
勢いでソニーがビジネス市場に向かってくるか。
あの失言続きで実務能力ゼロの田中真紀子を信じる人間が多いという事が
ミーハー、ムードに流され易い大衆のレベルを示しているようで、最悪の事態
も想定できなくもありません。果たしてThinkPadは生き残れるのでしょうかねぇ。
まぁ、最後の一人になって米から通販で買うことになっても、生きている限りは
ThinkPadと共に有りたいものです。妄想でしょうかねぇ。
個人的にはs30は画面が小さすぎて使う気になりません。ギリギリ許容できる
範囲がX20クラスです。そういう人間からすると、DHUII→VAIO505は承服し
かねるのですが、敗軍が何を言っても仕方ありません。宗教じゃないのです
から、各人好きなようにやってください。
今回は予想もしなかった考え方に一本取られました。ただ、乗りかけた船です
ので、もう少し追っかけてみようと思います。
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