スリムノートの系譜(ハイトラ)
  

不定期コラム Vol.614
2002/02/25作成


Googleで検索しても引っかかってしまうほど、「ハイトラ」という
言葉はそれなりに残ってます。今はCompaqに吸収されて
しまった、旧DEC(日本では日本DEC)の出していたノートパソコン
の上位モデル、Digital HiNote Ultraの愛称です。他に"DHU"と
いう略称も流布しているようです。"Ultra"が付かない、普通の厚
みのモデルもありましたが、こちらは何と呼んでいたのでしょうね。
素直に「ハイノート」でしょうか。

最初に486時代にモノクロモデルを含むモデルが投入され、その
薄型と高価格と故障の多さがセンセーションを巻き起こし、Pentium
を搭載して少し厚くなった二代目も、やはり薄さと高価格で目立って
いました。

XGAを搭載したDHU2000モデルはもう孤高の超高値で、DECの
商売下手を感じました。

シチズンが製造していたようで、高価格なのは自社生産でなかった
というのも関係あるかもしれません。またWebサイトを色々と見てい
くと、液晶のヒンじ部の破損がモデルを問わず多いようです。

All about ThinkPadの作成の時、TP560を評して、先発のDECの
HiNoteをあっさり逆転、と書いたのは、やはり「価格」が大きな要因
だったと思います。マシン底部に装着できる専用のCD-ROMドライブ
といい、デザインと拡張性は優れていたと思いますが、私もマシンを
前にして、これ高いんだよねぇ、と言ったことを覚えています。

Web上では初代の発売日の情報を見つけるに苦労しました。
1994年か1995年頃、という話です。ThinkPadでヒットしたTP230Csが
1994/06、ThinkPadで最初のIntelのSL-Enhanced 486搭載(486SL
ではなく)マシンが出たのが1994/04のTP755Cですから、それ以降
ですね。個人ユーザーの感想とか見ていると、先にTP230Csが出て
いたようなので、1994年6月以降と思われます。DECの歴史につい
て述べたサイトで1994/12とあるので、それを採用しました。

旧DECのマシンの情報は存続会社のCompaqのホームページに一部
残っています。もっとも、コンパックがHPと合併してしまうと、またホーム
ページの情報も変わってしまうのでしょうから、早めに仕様だけでもメモ
っておいた方がいいだろうと思い、主な部分だけ抜書きしています。

http://www.axsx.co.jp/meikido/DHU1.htm
  中古ノートパソコン価格(2001/08月28日現在)
を見る限りでは、初代のCT475(DX4)では
本体8MB+増設16MBという構成のようです。HDDが約320MB、着脱式FDD。

下に装着するCD-ROMがMobileMedia/6Xというオプションです。初代、二代目
(DHU/DHU2)のどちらにも取り付けできるかどうかはちょっと不明です)。
6倍速でスピーカー、ジョイステッィクポート、ステレオ2スピーカー+ウーハーと
いうものです。当時のことを考えるとSCSI仕様と思われます。Thinkpadにも
TP75X系のドッキングステーションといったオプションで同様のものがあった
かもしれません。もっともThinkPadにあれをつけると、下手なデスクトップ並に
なっていたでしょうから、格好良さでは敵いません。

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/1968/mypc/dhu.html
 DEC Digital HiNote Ultra

http://www.compaq.co.jp/dec/windows/products/hardware/hinote/ultra/ultra.htm
 Digital HiNote Ultra 
   スリムで軽いから、持ち運びがラクラク! ・ 薄さ: 30.5mm 軽さ: 1.8Kg 
    スリムなのに大画面     ・ 9.5インチ大型液晶   ・ Chips&Technology     1024x 768の仮想画面
    ディスプレイ:  9.5インチ TFT, DSTNもしくは STN
    重量:      1.8Kg
    外形寸法:    280x216x25.5(モノクロモデル)
               280x216x30.5(カラーモデル)

 同時に売られていたHiNoteの仕様はDECpc 425NM/425NCで
 重量: 3.0Kg(モノクロモデル)3.2Kg(カラーモデル)外形寸法: 299 x215 x55
  ですので、それなりにインパクトのある薄さでした。

DHU2はDHUから一年後に発表されたようです。
http://www.compaq.co.jp/dec/windows/products/hardware/hinote/ultra2/ultra2.htm
 DIGITAL HiNote Ultra II
  ・ 薄さ:       28.2mm − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
              30.5mm − LTS5133/LTS5150モデル
  ・ 重量:       1.8Kg(本体+バッテリパック) − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
              1.9Kg(本体+バッテリパック) − LTS5133/LTS5150モデル
  ・ 液晶画面:   10.4インチ大型液晶 − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
             11.3インチ大型液晶 − LTS5133/LTS5150モデル
  ・ ビデオ:    Chips&Technology 65548  800 x600ドット(液晶画面)
             1024 x768ドット(液晶画面・仮想スクリーン/外部 CRT) 65536色表示可能
  外形寸法:     280 x216 x28.2 − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
              280 x216 x30.5 − LTS5133/LTS5150モデル

http://www.compaq.co.jp/dec/windows/products/hardware/hinote/ult2k/ult2k.htm
  DIGITAL HiNote Ultra 2000
  CPU MMX-166/266 16-144MB HDD 3/4GB
   外形寸法 305 x249 x36 重量 本体のみ(リチウムイオンバッテリ含む) 2.7Kg
   FDドライブ装着時 2.9Kg  CD-ROMドライブ装着時 3.0Kg
    DHU2000は、厚さ36mmになっています。


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【仕様等】
http://www.compaq.co.jp/dec/windows/products/hardware/hinote/ultra/ultra.htm
 Digital HiNote Ultra グッドデザイン特別賞に輝く!!
  I WON! 平成7年度の通産省グッドデザイン特別賞を受賞「PC Laptop Computer」誌で年間最優秀製品を受賞
  外観説明 FDDドック取付時FDDドック取外時キーボードスタンド兼バッテリを折り曲げた状態
   スリムで軽いから、持ち運びがラクラク! ・ 薄さ: 30.5mm 軽さ: 1.8Kg 
    ・ 必要な時だけ取り付けられ、置き場所を取らないFDDドック ・ 超小型のACアダプタ
    ・ リチウムイオンバッテリーで軽量化、長時間使用可能
    キー入力がし易い設計  ・ 大型キーボード: A4変形 フルキーピッチ: 18mm キーストローク: 3mm
       大型パームレスト  トラックボール: 16mm キーボードに傾斜をつけられる、バッテリーパック
    スリムなのに大画面 9.5インチ大型液晶  Chips&Technology  1024x 768の仮想画面
    スリムなのに機能を削らず、高性能   ・ 赤外線通信ポート装備: HP-SIR互換
    ESSサウンドコントローラ装備 内蔵マイク、内蔵スピーカ装備 マイク、ヘッドフォン端子装備
    PCMCIA Type-I/II x2orType-III x1装備可能
    RS-232C端子標準装備 パラレルポート標準装備 CRTポート標準装備: LCDとの同時使用可能
   MobileMedia ・ 取付け後の薄さわずか、53mm   ・ 取付け後の軽さわずか、2.62Kg(本体: 0.82Kg)
      ・ 2倍速モデルと4倍速モデルを用意  ・ 3スピーカーシステム(前面ツィータ x2, 底面ウーファー x1)
      ・ 16ビットサウンドシステム内蔵     ・ MIDI/ジョイスティック兼用ポート装備
      ・ 使用に際してケーブルの接続は必要ありませんので、持ち運びがラクラク!
      ・ 電源は Ultra本体から供給しますので、専用ACアダプタは不要
      ・ CD-ROMドック「モービルメディア」は電源を入れたままのホットインサーションが可能
      ・ 取付け/取外しはワンタッチ    (注) 当オプションは HiNote Ultra 450, 475シリーズ専用です。
   Digital HiNote Ultraシリーズ
    機種:      433, 433C, 450C, 475CT
    CPU:     SL Enhanced 486SX/33MHz, DX2/50MHzまたは DX4/75MHz
    メモリ:     オンボード 4MB(DX/33MHz, DX2/50MHzモデル)
             オンボード 8MB(DX4/75MHzモデル)
             DIMMソケット x1(最大 16MB追加可能)
    ディスク:    180, 340MBもしくは 540MB
    ディスプレイ:  9.5インチ TFT, DSTNもしくは STN
    ビデオ:     Chips&Technology 512KB(DX/33MHz) 1MB(DX2/50MHz, DX4/75MHz)
             外部モニタポート装備
    サウンド:    ESSコントローラ 内部スピーカ/マイク マイク入力/スピーカ出力端子
    赤外線ポート:  HP-SIR互換
    スロット:    PCMCIA Type II x2もしくは Type III x1
    バッテリ:    リチウムイオン  駆動時間 3-6時間
    重量:      1.8Kg
    外形寸法:    280x216x25.5(モノクロモデル)
               280x216x30.5(カラーモデル)

 同時に売られていたHiNoteの仕様はDECpc 425NM/425NCで
 重量: 3.0Kg(モノクロモデル)3.2Kg(カラーモデル)外形寸法: 299 x215 x55
  ですので、それなりにインパクトのある薄さでした。


http://www.compaq.co.jp/dec/windows/products/hardware/hinote/ultra2/ultra2.htm
 DIGITAL HiNote Ultra II
  グッドデザイン特別賞に輝いた HiNote Ultraから1年...
  更にスリムになりました! これが真のモーバイルPCです
  ・ 薄さ:       28.2mm − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
              30.5mm − LTS5133/LTS5150モデル
  ・ 重量:       1.8Kg(本体+バッテリパック) − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
              1.9Kg(本体+バッテリパック) − LTS5133/LTS5150モデル
  ・ FDD:      必要な時だけ取り付けられ、置き場所を取らないFDDドック
  ・ AC電源:     超小型のACアダプタ
  ・ バッテリー:    リチウムイオンバッテリーで軽量化、長時間使用可能
  スリムなのに、更なる大画面化!
  ・ 液晶画面:   10.4インチ大型液晶 − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
             11.3インチ大型液晶 − LTS5133/LTS5150モデル
             全機種TFT採用  65536色
  ・ ビデオ:    Chips&Technology 65548  800 x600ドット(液晶画面)
             1024 x768ドット(液晶画面・仮想スクリーン/外部 CRT) 65536色表示可能
  Windows 95にも余裕のハイパフォーマンスノートPC
  ・ CPU:      Pentium 100, 120, 133, 150MHz採用
  ・ キャッシュ:    パイプライン・バースト 256KB
  ・ メモリ:      オンボード 8MB −56MB DIMMスロット x2
  ・ HDD:      1.08GB/1.35GB/1.44GB  リムーバブルタイプ
 キー入力がし易い設計
  ・ 大型キーボード:A4変形 フルキーピッチ:18mm キーストローク:3mm
  ・ 大型パームレスト: 16mmの大型トラックボール
  ・ バッテリー:    キーボードに傾斜をつけられます
 スリムなのに機能を削らず、高性能
  ・ 赤外線通信:HP-SIR互換赤外線通信ポート装備
  ・ サウンド:ESSサウンドコントローラ装備
     内蔵スピーカ装備 外部スピーカ端子装備 内蔵マイク装備 外部マイク端子装備
     マイク、ヘッドフォン端子装備  ・ PCMCIA:Type-I/II x2 or Type-III x1装備可能
    PCMCIA付き FDDドックをオプションで用意 最大 Type-I/II x4 or Type-III x2まで拡張可能
  ・ シリアル:RS-232C端子 x1 パラレル:セントロニクス準拠  CRT:液晶画面との同時使用可能
  ・ マウスポート:PS/2仕様(キーボードポートと兼用) キーボードポート: PS/2仕様
  ・ BIOS: 必要な時にいつでも設定画面を呼び出せます
 持ち運びの多いノートこそ、安心のサポート体制を
 ・ 3年間無償修理保証 持ち込み修理 メーカー異色の 101英語キーボード交換サービス

モービルメディア
 ・ 使用に際してケーブルの接続は必要ありませんので、持ち運びがラクラク!
 ・ 取付け後の薄さわずか、50.7mm(CTSモデル)
 ・ 取付け後の軽さわずか、2.62Kg/本体:0.82Kg(CTSモデル)
 ・ 6倍速ドライブを採用
 ・ 迫力の3スピーカーシステム(前面ツィータ x2, 底面ウーファー x1)
 ・ 16ビットサウンドシステム内蔵
 ・ MIDI/ジョイスティック兼用ポート装備
 ・ 電源は Ultra II本体から供給しますので、専用ACアダプタの接続は不要
 ・ CD-ROMドック「モービルメディア」は電源を入れたままのホットインサーションが可能
 ・ 取付け、取外しはワンタッチで簡単
 ポートリプリケータ     10BASE-2/T(*)  * Ethernetコントローラ内蔵タイプ

 スペック
  機種:       CTS5100, CTS5120, CTS5133 LTS5133, LTS5150
  CPU:      Pentium 100, 120, 133, 150MHz
  キャッシュ:    256KB パイプライン・バースト仕様
  メモリ:      標準: オンボード 8MB−56MB
            DIMMソケット x2  1枚単位の追加可能
  ディスク:    1.08GB−CTS5100/CTS5120モデル 1.35GB−CTS5133/LTS5133モデル
            1.44GB − LTS5150モデル         取り外し可能
  ディスプレイ:  10.4インチ TFT − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
            11.3インチ TFT − LTS5133/LTS5150モデル
  ビデオ:      Chips&Technology 65548  1MB    外部モニタポート装備
  サウンド:     ESSコントローラ 1688  DOS使用時 8bit SoundBlaser互換
  スピーカ:     モノラルスピーカ内蔵    マイク:      モノラルマイク内蔵
  マイク入力端子:  ステレオミニピン端子  スピーカ出力端子: ステレオミニピン端子
  赤外線ポート:   HP-SIR互換   スロット:     PCMCIA Type II x2もしくは Type III x1
  バッテリ:     リチウムイオン         駆動時間 2-4時間
  重量:   1.8Kg(本体+バッテリパック) − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
         1.9Kg(本体+バッテリパック) − LTS5133/LTS5150モデル
  外形寸法: 280 x216 x28.2 − CTS5100/CTS5120/CTS5133モデル
              280 x216 x30.5 − LTS5133/LTS5150モデル


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