たまにはThinkPadネタでも

不定期コラム Vol.430
2001/10/24作成


たまにはThinkPadがらみを書かないといけませんね。
本当はかなり前から書きかけていたのですが、IBMが
新ラインナップを出したので、これ以上遅いのもね、という
事で作成しています。内容的にはちょっとタイミングを逸
したかもしれません。

俗に個人向けからの撤退と言われるAptivaとThinkPad iの中止に
関してのWebサイト上での観測記事はそう多くはありません。
数が多ければ良いという訳でもないので、代表的なものを紹介します。


http://www.zdnet.co.jp/news/0109/26/ibmpc_interview.html
日本IBMのPC戦略はどうなる?

  現状では個人向け,企業向けという分類はもはや意味をなさないでしょう。
  というのも,ブロードバンド時代を迎え,家庭のPCにはネットワークインタフェース
  が標準で備わるようになりました。一方,企業向けと呼ばれる製品にもサウンド
  カードが装備されるなど,機能面での違いはほとんどありません。そういった状況
  でブランドを一本化することは理にかなっているでしょう。ただ,バンドルするソフト
  などで店頭売りと企業向けの色分けはします。

  ZDNN:つまり,ハードウェア的に個人向けに特化した製品はもう出ないということですか?
  川口:そういうわけではありません。「ThinkPad iSeries S30」の“ミラージュブラック”のように,
  特徴的な製品を開発していくつもりです。


http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20011001/gyokai15.htm
 「Aptiva」、「ThinkPad iシリーズ」休止の事情 日本IBMは、コンシューマ市場を捨てたのか?

  日本IBMでは、今回の2つの製品群を休止する理由を、「IBMのコアコンピタンス(中核業務)に
  集中した結果の措置」と説明する。Aptivaと、ThinkPad iシリーズに共通しているのは、オーディオ、
  ビジュアル機能を強化したコンシューマパソコンだという点だ。ソニーのVaio、NECのValueStarや
  LaVie、そして、やや幅を広げればアップルコンピュータのiMac、iBookといった製品群と競合する
  位置づけのものであった。だが、今回の判断の背景には、この領域が、日本IBMにとって、決して
  得意分野ではない、という事情が影響している。企業の生い立ちを見ても、...


この後、Y!BB解約とかで、うだうだしている内に
発表されたのが今回のIBMのプレスリリースです。

http://www-6.ibm.com/jp/NewsDB.nsf/2001/10241
 製品ブランドの統合、新しいサービス・ブランドも発表

  ThinkPadは、「多機能と信頼性を兼ね備え、プロの要求にも十分対応
  できるノートPC」として、これまでの企業向け・個人向けという区別では
  なく、お客様の用途にあわせてご購入いただけるようになります。

  当社では、1991年に初めてのノートPCとして「PS/55note」を発表して
  以来培ってきた、「人間工学に基づくキーボードの打ちやすさ」「厳しい
  製品試験に裏付けられた耐久性」「使いやすさを追求したユニバーサル・
  デザイン」などをThinkPadの特徴として積極的にアピールし、販売を促進します。


まぁ、深読みをすれば、やはり今後競争が要求されるAV系の機能の追求
からは1歩退いて、自己の得意とする「堅牢」「ユーザビリティ」で戦おうという
訳でしょう。そのうちにDVD-ROMやDVD-R対応のコンボドライブがどのモデル
にも搭載されるようになるのでしょうから、マニアックな使い方をしなければ
ThinkPadのメリットを評価してくれる個人ユーザーもいるでしょう。

VAIO嫌いの私としては、VAIOに大きな顔でトップ独占とかでかでか出るのが
癪に障る訳ですが、IBMが素直に撤退してしまった以上、現状を受け入れる
しかありません。願わくは企業内にまでVAIOが進出してこない事を祈るだけ
です。コンシューマー向けにW2Kモデルを投入して鍛えてきたからビジネスにも
ピッタリなんて言われたら目もあてられません。頼むからそれなりに壊れ易く
(ソニータイマー)で華奢でいてください。デザインもできるだけ華美に。黒は
避けて欲しいです。、

見たくないのはこんな記事です。

http://pcweb.mycom.co.jp/column/gyokai/gyokai187.html
 業界動向を読む! 第187回 国内で唯一元気なパソコンメーカーとは
   こうしたなか、同社のパソコン事業の健全性には驚くべきものがある。
   安藤国威社長によると、「国内においては、VAIOノートが2桁成長を
   遂げているばかりか、PDAのCLIEも同様の伸びを見せている。米国に
   おいては、VAIOのデスクトップ製品が10%の伸びを見せている。
   振り返ってみれば、ソニーが、もともと収益性の悪いコンシューマ分野に
   フォーカスをあて、しかも、収益をあげながら、この分野でトップシェアを
   獲得したというのは、まさに「マジック」だといえよう。


ディスプレイの障害、キーボードへの一部のモデルでの不評、IMASの
仕上がりレベル低下とかをThinkPad Clubで最近はよく見かけます。
あそこが駆け込み寺的なので、クレームが集まり易いという事を差し
引いても、ThinkPadが寄って立つべき「製品品質」や「サポート」の点で
以前よりレベルが落ちているのかな、という「印象」を持ちます。

低価格競争が続く中、コストダウンも大変でしょうが、これをやっちゃったら
おしまいよ、という致命的な事が起きないよう、何とか頑張って欲しいものです。

ゲーマーが見向きもしない「孤高」のモデルだとしても私は構わないのですが
スペックで負けていると言われるのが悔しいなぁ。カタログ・スペックマニアと
言われればそうなのですが。ThinkPadにはカタログの数値に載らない良さが
あると言っても、それを他人にどう広めていくか、という困難さも感じます。

ノートで世界一のシェアを取ったこともあるだけに、このままジリ貧、縮小
再生産にならないことを祈りましょう。まぁ日本はともかくとして米市場では
健闘しているのでしょうか。例えs30のような国内モデルがなくなっても
構わないので、私が愛用するTPi1157やX20といったクラスだけは品質を
維持して欲しいですね。会社で普通に導入するであろうAxx/Rxxモデルは
そこそこで構わないと言うのが本音。

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