最初はVAIOノートの記事を時系列で追っかけることで事足れリ、と
思っていました。しかし、やっていくうちに、この消費者に近い位置に
居るソニーという企業を理解する上で、単にパソコンだけ見ていては
駄目という気持ちが強くなりました。パソコンはソニーの戦略、野望を
実現するための道具に過ぎず、パソコン以外の要素にも目を向けない
とソニーの動きは理解できないという訳ですね。VAIOノート資料館の
一連のソニーモバイル年表とは当初はVAIOノート年表だったのですが
そういう訳でタイトルも変更しています。
で、つらつらとソニーとIBMを簡単に比較してみました。アナリストであ
れば売上規模等も加えるのでしょうけど、そちら方面は苦手なので
省いています。
ソニー IBM
デスクトップパソコン VAIO Aptiva/NetVista
デスクトップ参入 1997(8年振り)
1983(日本)
ノートパソコン VAIOノート ThinkPad
ノートパソコン参入 1997
1991
イメージカラー バイオレット? 漆黒
PDA CLIE WorkPad
ネットワーク So-net bit-drive 売却
イッツ・コミュニケーションズに出資 関連会社にCATV会社あり
基幹系ネット クロスウェイブ ?
サーバー、ホスト なし e-Server(汎用機,WS,etc)
推奨データメディア メモリースティック MG 業界標準が決まればそれなりに
規格制定 DD-R/RW 最近はブルートゥースとか
MD DATA等独自規格多し
伝送規格 i.LINK(IEEE1394) 業界標準が決まればそれなりに(PC業界)
音楽配信 bitmusic 配信事業に協力
直販 SonyStyle IBM ショッピング(ShopIBM)
自社ソフト ポストペット ロータス、チボリ DB2
*日本のロータスは米法人の100%出資
PC付属のAV系ソフト開発 ホームページビルダー,ViaVoice他
音楽、映画会社が傘下
ゲーム PS2 任天堂にCPUを供給
エンターティメントロボット AIBO
キャラークター モモ他多数(チェキラッ参照) カルロ(?)
出版 Sony Magazines
携帯電話 携帯電話 WorkPadにPHSモデル(業務用)
R&D PS2,ロボット 基礎技術で世界的な発明を多数
バイオ+ITにも力
放送機器 松下と市場を二分
バッテリー 開発も 基本的にはバイヤー?
システムボードの省電力機能には一日の長
家電ルート AV機器を中心に強力
金融・保険 関連会社 システムの顧客
アミューズメント メディアージュ
ブランド力 コンシューマーに強力
年配の汎用機ユーザーだった男性に強力?
ThinkPadにはコアなユーザー層あり。
エンドユーザー ゲーム,AV機器で圧倒的 コアなユーザーはThinkPadぐらい?
消費者のすぐ側に存在 どちらかというと消費者の支援にあたる裏方
ThinkPadをパソコンとして売りこむIBMと、ソニーの影響圏にユーザーを
引き入れるツールとしてVAIOを売るソニーの差がうまく出ているといいですが。
最近の新聞に載っていたVAIOのユーザー登録とソニーの提供する金融サービス
で顧客番号を統一するような話なんかだと顕著ですけどね。まぁこの辺はこの
後のソニー帝国論と繋がるのかもしれません。