最悪のThinkPad

不定期コラム Vol.287
2001/06/26作成

ThinkPad Club勝手に連動企画、第2弾の続きです。

今回の記事作成に関しては主にThinkPad Loveのカタログ倉庫への
(無断)リンクを使わせて頂きました。管理人さん、すみません。

最悪なんて書くと使っている方が気を悪くされるでしょうから、
ズバッとは書きにくいので、ボカしておきましょうか。あくまで
私の好みなので怒らないでくださいね。


「退化したで賞」
 TP380/D
TP365X/XDが交換し易いディスクパック形式で好評だったのに、後継の
TP380/DはHDDが固定式になり、しかもその分厚いデザインで一転使い
にくいモデルになってしまいました。特に女性社員には不評でしたねぇ。
私が一時300シリーズを会社に導入するのを諦めさせた程のインパクトが
ありました。 


「企画倒れで賞」「時流に合わなかったで賞」
 ParmTop PC110
486からPentiumへの端境期に登場した悲運のWIN31マシンです。あの
頃、ほぼ同時に登場してスマッシュヒットになった東芝のリブレットの事
を考えると、もう少し売れても良かったな、とか、Pentiumなら、とか考え
てしまいますね。個人的にはキーボードが小さ過ぎて好みではありません。
同様のものではChipCardというものもありました。


「評判を落としたで賞」
 TP240
久々のB5ノートとして登場したその直後からThinkPad Clubにキーボード
がゆがんでいるといった不具合の書きこみが集中し、キーボードが落ち着
いたかと思うと画面の白画面化現象、と修理はしてくれるものの、今まで
のThinkPadの高い信頼性という評価をガタガタにしたマシンです。


「やわで賞」
 TP240 
私は結構ラフにマシンを取り扱う方ですが、それでも今までに使ったマシ
ンで再起不能になるほどのひどい障害をやったのはTP240だけです。ある
朝起きると足元のTP240の液晶パネルが割れていた、というものです。
TP235の前身のNOS NP-10Nですら壊さなかったのに、という思いがあり
ます。断じて私のせいではなく、TP240がヤワなのでしょう。..ホントかな。


「どうにかしてよ賞」
 X20
せっかくの新機軸マシンなのに掲示板はHDDの故障の話ばかり。
最近の品質管理はどうなっているの?


「サポートはどうなっているので賞」
 TP530CSTP535/TP535E/TP535X (TP240Z)
国内専用モデルはBIOSのアップグレードの提供は遅いわ、WEBでの
歴史紹介に一向に顔を出さないとか、ユーザーが熱狂的なだけに可
哀想な仕打ちが目立ちますね。米IBMあってのThinkPad。開発はとも
かくとしてサポートに関しては日本IBMの体制には不満を持っています。


「情けないで賞」
 TP760L/LD
高くて売れないTP760C/CDの代わりに投入されたのですが、安くする
にしても高品質のVGA液晶はともかく、ハイエンドモデルの700番台で
ありながら音源が無いプアな環境には参りました。これ以降の700番台
のローエンドモデルはESSの音源を積んでいただけに、TP760L/LDの
悲惨さが引き立ちます。


「コストパフォーマンス悪過ぎで賞」
 TP550BJ
後継のTP555BJでもそうですけど、性能の割には価格が高すぎだと当時
も感じていました。一番高いモデルで\568,000もしました。パソコンとプリ
ンターが一緒といってもこれでは。


「変革し過ぎで賞」
 TP310,TP240
6段配置のキーボードはTP240で何とかThinkPadでも認知されたようです
が、TP310の頃では冒険し過ぎですね。東芝ユーザーの乗り換えには使
えましたが、普通のTPユーザーには違和感が大き過ぎて。


「剥げしすぎで賞」
 TP600
私の会社ではTP600だけでしたが、数十台のうちの10台程度で塗装剥げ
が生じました。他にはTP600EやTP770あたりで起きたケースもあるようで
す。TP600系のしっとりとした塗装は好きですが、思わぬところで減点対象
になってしまいました。


「ピッタリし過ぎで賞」
 TP340CSE TP365E TP560X
 企業で使う場合は導入コストもケチッて安いマシンを入れます。そういう
点ではTP340CSEやTP560Xは重宝しました。問題は買った時点よりOS
やアプリケーションがバージョンアップしてしまうと、買った時の環境にコ
ストパフォーマンスを発揮するようになっているため、拡張性がありません。
特にTP340CSEは画面は従来のDSTN機より確実に良かったのですが、
メモリが12MBまでしか搭載できない、CPU換装もできないということで
袋小路に陥ったマシンでした。
 TP365Eは2GB以上のHDDにハイバネーションの領域を作ると二度と起動
できないなんて恐ろしいマシンでした。3.3VのDIMMはTP701Cを除いて
32MBのDIMMはありませんでしたから、メモリの面でも制限が多いマシン
でした。
 TP560Xを始めとするEDO DIMM採用モデルも予期できなかったとは
言え、その後のEDO DIMM 128MBの入手困難でWIN98上のシビアな業
務への導入はできなくなりました。ロングライフで運用しようとすると、色々
と問題がやって来ます。古くなればやはりそこそこの程度でしか運用でき
ませんね。


「見えないで賞」
 TP330Cs
記念すべきDSTN液晶搭載の最初のモデルでしたが、厳しく言えば全く
使い物になりませんでした。こういうモデルでもかなり後に型落ちになって
からT-ZONEで山積みになっていて、個人が安いからと買っていきましたが
使えたのでしょうか。


「続きはどうなったので賞」
 TP360P 2435PenPC
時代の波に翻弄されたモデルです。TP360Pが出るちょっと前はペン・コン
ピューティングへの期待は凄いものがありました。GOとかジェスチャーとか
今でも少し頭に残っています。業務向けに特化した後、その後継について
の情報は皆無に近い状態です。PDAが取って代わったのか、あるいは、
日立あたりのマシンを使っているのか。IA(インターネットアプライアンス)で
息を吹き返すように見えた簡易端末ももはや絶滅寸前ですね。やっぱり
キーボードは偉大ということですかね。


「オプション高すぎで賞」
 TP390/390E/390X TP770E
TP390シリーズのウルトラベイFX用の増設HDD、TP770Eの内蔵DVD-ROMは
企業で買う場合でも躊躇される程高価なものでした。価格、流通といった点で
TP600を見習って欲しかったですね。


「入手できませんで賞」
 TP315D/315ED
FDD外付けなんですが、このFDDは他の機種と互換性が無い上に、パーツ
当時センターでも売ってくれなかったような代物のようで。TP240ZのミニPCI
カードも挙げておいた方がいいのかな。最近の話は疎いのでよく判らないけど。


「一人で寂しいで賞」
 TP130
突如登場した100番台のThinkPad。海外ではTP i 1300なんでしょうけど、
これがTP130として登場したのにはビックリしました。果たしてシリーズ化
されるのでしょうか。ビジネス向けモデルでは貴重な(?)Windowsキー搭載
モデルではあるのですけどね。まさかMSの顔を立てるために出したとか。
うちにもWindowsキー搭載のビジネスモデルありますよ、とか、Windowsキー
必須が条件の大口案件向けモデルだったとか。IBMならありそうですが。


「品薄で賞」
 TP570E
TPi1157のせいかどうか判りませんが、TP570Eはメチャクチャ入手難でした。
量販機種でここまで入手困難なのは珍しかったです。私のところではWIN98
モデルはTPi1157に切り換えてしまいました。


以上、部門賞を紹介しました。最後に私が推薦する「最悪ThinkPad大賞」は
TP240です。理由はトータルな品質悪化でThinkPadの評価をおとしめた罪で
す。キーボード配置以前の問題で、万死に値します。あれ以降IBMに対する
見方が変わったのは事実です。キーボードの感触、ストロークについては満足
しているのですが。そういう意味では最近のX20も日立のHDD故障の罪で同罪
ですが、次期メインマシンなのでそこは減免。出来が悪い子ほど可愛いという
のもあるのか、ないのか、私の会社ではTP240はそこそこの台数買っています。
まずい点は後から直せば良いのです。IBMのサポート体制自体はまだ心配し
ていませんので。




とまぁ、長くなりましたが、お楽しみいただけたら幸いです。怒っちゃやーよ。
4/1に発表すべきでしたかしらん。

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