アイデンティティ

不定期コラム Vol.283
2001/06/22作成

時々にしか使わない最寄の地下鉄駅の出入り口の前に大きな日産の
新型スカイラインのポスターが貼られていました。私は二輪派ですので
車はほとんど門外漢ですが、それでも今までのスカイラインという名前の
持つスポーティ感がスポイルされたデザインだなぁとしばらく見入っていま
した。

スカイラインにも今までの象徴となってきたリアの丸型テールランプでは
ないモデルがあったそうですが、今回のモデルでは全然別のデザインだ
そうです。スカイラインのファンにはスカイラインのファンとGT-Rのファンの
2種類があるとかも聞いていますが、あのドカッとした今回のモデルでは
第一印象で鈍重なイメージを受けてしまいます。

そもそもはモーターショウで全く別の名前の開発コードが使われたものが
スカイラインとして登場したようなのです。あれでは長年積み重ねてきて培
ったブランドイメージへのダメージが大きいのでは、と感じました。

今までのモデルも数量的には売れてないので、今回のモデルチェンジで
新しいユーザーを獲得しよう、とか、海外への大幅な輸出を想定しているか
ら今回のデザインになったとかの話も出ていますが、テールランプだけは
頂けません。あれは東芝がアキュポイントを止めてスライドパッドを採用し
たのと同じような「堕落」を感じさせます。

ThinkPad i Seriesも一時の銀鼠色からブラックに回帰しましたが、それには
コアなユーザー層の反発があったからでしょう。新しい取り組みは確かに
大事でしょうが、今までの伝統、積み重ねを崩してまでやって良いものと、
守らなければいけない一点の見極めが甘かったような気がします>日産。
敢えてスカイラインの名で出すべきだったのでしょうか。

ブランドの持つイメージ、ThinkPadで言えば、黒と赤、堅牢、秀逸なキーボード、
といったものが挙がるでしょう。そのブランドを成り立たせている構成要素を
日産にはもっと大事にしてもらいたかった気がしますね。

identity はasahi.comの辞書によれば 「ある人・物が他の人・物と異なって
もっている独自性。同一性。」とあります。

あるいは
レーゾンデートル(仏語) raison d'etre
 ある物が存在することの理由。存在価値
  といった言葉を考えてしまいますね。




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