TP ClubでTP i Seriesの総括の話が出ていました
ので、ちょっくら連動してみました。
ThinkPad i SeriesはIBMが家庭向け市場を狙って
投入した、ビジネス向けが主体のThinkPadとは
別のシリーズです。
元々ビジネス向けでは一定の評価を得ていたTPも
家庭向け攻略にはずっと苦戦してきました。
i Series投入の前には1998年以降投入のTP315D/ED,
385D/ED/XDといったCD-ROM内蔵型のマルチメディ
アモデル、それ以外でもビジネスモデルとCD-ROM
をキットにしたマルチメディアセット等が家庭向け
を目指して投入されましたが爆発的に売れたという
ほどではないようです。
家庭向けという点ではデスクトップの方が一足早く
攻勢をかけています。IBMの製品としては珍しく爆
発的な大ヒットとなったPS/V Vision(Pentiumでは
ありませんから、かなり前ですね。CPUがIBM
486
SLC2ということからTP330Csと同時期でしょうから
1994年あたりですね。セットアップに疲れたPC廃人
御用達マシンとも言われた名機で、初心者から熟練
者まで広く売れました。その後Aptivaにブランドが
切り替わってからは採算度外視の低価格で攻勢をか
けてきた富士通にシェアを取られ、巻き返しは10万
円台後半の低価格モデル投入(ケースの形はPC300GL
6272とわりと似てましたね。中は違いますが)以降に
なります。
TPで企業ではなく個人主体に売れたモデルもありま
した。1993年のTP220はマニアにしか売れませんでし
たが、1994年の改良版のTP230Csは個人に売れたよう
です。パワーアップと引き換えにより厚く重たくな
ったTP530CSは1995/05以降パワーアップを繰り返し
ましたが、勢いがあったのもこの頃までですね。
1996/06のTP535以降はめっきり勢いが衰えます。こ
の頃の強力な他社製品についてはまだDOS/Vマガジン
の整理がろくに進んでいないので後で調べることに
しましょう。
元々PCに志向がある個人(軽度のマニア)ではなくて
一般家庭にPCをどう売りこむか、はマシンだけでは
なくてOSも重要な役割を果たしてきました。1995秋
に発売されたWindows95では、それまでインターネッ
トに接続するために面倒な設定やOS以外のソフトの
助けが必要だったのが、買ってきたらそのまま使え
る状態に進化していました。ただこの時家庭に売れ
たのはインターネットに繋ぐのがメインというより
は、「パソコンできなかったらリストラされますか」
というCMに代表されるような切迫感のようなものが
後押しをしていたのではないかと思います。
日本でインターネットが普及し出したのはいつか、
については、これまた色々と調べないといけないの
ですが、一つは1998初夏に発売されたWindows98です。
Windwos95の頃に買って結局PCを使わなくなった層が
再度やってきたように感じています。
ノートマシンのパワーも1995年のDX4,Pentium-90/120
あたりから1998年のMMX Pentium233、初期のPentiumII
となってましたから、グーンと向上しています。メモ
リやHDDのスペックも向上していましたし。一例を下記
に挙げてみます。
1995
TP530CS 2605-7FV DX4-100 RAM12-20(36) HDD
0.54GB 8.4"DSTN
1998
TP235 2607-10J MMX233 RAM32-96(160)HDD
3.2GB 9.2"TFT SVGA
通信環境も良くなっていました。通信速度を後から
向上できるMwaveを搭載したTP530CSは当初14.4Kbpsで
したが、WIN98に合わせて発売されたキットモデルとか
では56Kのモデムカードが付属していました。NTTによ
る定額制サービスのOCNは1997夏に発表されています。
マシンの性能向上、使い易いOSの登場、通信速度の向上
といったインフラ面の要素とインターネットという魅力
的な目的との相乗効果で、今まで小さかった家庭向け
市場というのが急拡大していく兆しが見えてきました。
こういう時に合わせて投入されたのがTP i Seriesです。
ということで、続きは次回。