ThinkPad i Series のマイナス評価

不定期コラム Vol.252
2001/05/05作成

ThinkPad i Seriesの投入は今から見ると混乱の始まりと言ってもしれません。

【マイナス・ポイント】
マシンスペック
当初のTPi1400Seriesはインテルではなくサードパーティ(製造メーカーのエイサーの
関連会社製)のチップセットを用い、動作保証対象OSをWindows98(及びWindows2000
)に限定することで、低価格化を図ったモデルでした。チップセットがインテル製でない
点は特にUSBコントローラーで問題になり、USB機器の中ではTPi Seriesでの動作を
保証しないようなものも有ったようです。DOS用PC CARDドライバーが提供されない
点なども熟練者には不評だったようですが、対象を初心者に絞っているという点を考え
ると、この点は仕方ないかもしれません。

モデルの混乱
NTTと組んでOCN PCパックとしてもマシンが供給されました。NTTへのマシン供給は
過去にもサザンクロスシリーズとしてありましたが、今回は過去に比べて大規模だった
事もあり、普段表に出ないOEMモデルが表に出てきてしまいました。秋葉原でも本来
OCNに提供されたはずの型番のモデルが販売されたりしました。このOCN用モデル
の型番がIBMのWEBサイトで該当が見つからないとかあったりして、ThinkPad Clibでの
質問の応対で結構面倒な事が起きました。NTT自体がはっきりと仕様を公表していな
い事も混乱に拍車をかけました。
1400 Series後期のモデルでは対応メモリがPC100対応のものに変更されるなど、
同じモデル2621の中で適合パーツが違ったのは面倒でした。しかもその中にIBMの
正式モデルではないNTT向けモデルの型番もある訳です。

HDD
最初の2611シリーズはHDDがディスクパック式ではありませんでした。やり方は一度
やれば飲みこめる程度の難易度ですが、それでも私にとっては当初敬遠する理由に
なりました。なお2621シリーズからは結構簡単になっています。2611シリーズに搭載
されたHDDは音がうるさくなることで有名なIBM DBCAモデルだったこともあって、評判
を落としたきらいはあったかもしれません。

サポート
同系列、同じチップセットを使いながら、対象モデルを新しい物だけに限定したような
形でBIOS、ドライバがWEBで提供されました。動作対象のテストの費用をケチるため
だったのかもしれませんが、ビジネスモデルに比べると不親切でした。
また、モデルがばたばた増えたため、結果的にWEBサイトの説明の不備が目立つよう
になった、と言えるかもしれません。

検証不足
1400 Seriesではあまり問題は無かったようですが、新しく投入された1200 Series
では特に音源に関するトラブルの書きこみがThinkPad Clubで多く為されました。
他のメーカーのマシンでも起きているようですし、必ずしも1200 Seriesが悪かった
訳ではないのかもしれませんが、不具合の書きこみの多さが私に1200 Seriesを
自信を持って薦められない状態にしています。現在もまだ完璧に治ってはいない
ようですが。ユーザーサポートの現場がこの症状をどこまで把握しているかについ
てバラバラの状態といったことも掲示板の書きこみから窺え、サポートへの評価を
落とす一因になっています。

キーボード
初心者向けとしてワンタッチボタンが用意されました。しかし後に追加されたビジ
ネスモデル由来の1157シリーズでは装備されていないなど、シリーズ全体の
統一性という意味では混乱を来したかもしれません。個人的には不用だと思いま
すが、初心者には便利なのかもしれませんね。メーカーによって仕様が違うなん
ていうのが困るので、色々なモデルを入れてきた会社の中では最低限共通な仕
様だけでいいんです。ま、これも人それぞれですが。

ボディカラー
第三世代のモデルからはディスプレイカバーの色がいわゆる銀鼠色に変更され
ました。私は今TPi1157を使っていることもありますが、個人的にはこの色は気に
言っていますが、世間的には不評なようです。それだけ「黒一色」への思い入れ
がThinkPadユーザーには多いのでしょう。

販路
ソニーとNECがバトルを繰り広げ、それに富士通とシャープが割って入る店頭で
売れ筋の銀パソを持たないThinkPadの入る余地が小さくなっているのは仕方
なかったのでしょう。全く目立たない黒から少し明るくなった銀鼠色になったとこ
ろでどれだけ効果があったかは判りませんが、TPi Seriesの投入で普通のビジ
ネスモデルが店頭から姿を消すことになったかもしれません。なまじ秋葉原に
近いところで暮らしているとそれほど感じませんが、地方ではユーザーがモデル
もカラーも選択できなくなってしまったのかもしれません。インターネット時代とは
言え、ThinkPadの売り物のキーボードとかはやはり触ってもらわないことには説
明しようがありません。

日本独自モデル
TP240Zを元にしたTPi1124は日本独自モデルのようです。過去に出た日本独
自モデルのBIOS、ドライバの供給についての遅れを目の当たりにしてきている
だけに、この新型には私は触手が伸びませんね。やはりどうしても米国で発売
されているか、をまず確認してしまいます。

個人向けとして定着したのか
ビジネスモデルと差別化を図ったボディカラーの変更への否定的評価を含めて
i Seriesというのが定着したのかは疑問です。色々なモデルがあるビジネスモ
デルのアンチテーゼとして据え置き、低価格モデルとして登場した1400シリー
ズは明確な主張を持ったモデルでした。しかし1124/1157/1620といった複数
モデルの投入で性格がぼやけてしまったのではないでしょうか。ビジネスモデ
ルがやはり秋葉原や通販で個人でも入手できる現状を考えると、個人向けモ
デル全部をi Seriesとしたのはちょっと無理だったのかもしれません。もっとター
ゲットとする層を絞って、例えば初心者のホームユースという当初の目標だけに
するとか、で出直した方がいいと思います。

「黒い犬」のマスコットを置いた売り場を拡充するのを目標としているようですが
個人のあらゆるニーズに色々なモデルを通じて全て対応可能だ、というので
あれば、別にi Seriesを設けた必要があるのかねぇと思います。乗りかけた
船でどんどんやっているのかもしれませんが。


さて、次は良い点も考えなくっちゃね。


一つ前へ
一つ後へ
コラム Indexへ
トップページへ