前編(その4へ)
館内施設見学についてです。
質問では予定を30分以上超過していたようで、かなり
慌てさせてしまったようです。この後、ブリーフィン
グ・ルームを出て、入退場にセキュリティがかかって
いる区画に移りました。廊下には無人メールロボット
の移動用配線も貼られているとのことですが、このロ
ボットは相当前から動いているとの事でびっくり。何
年前かまでは覚えていませんが、直感的に80286で動い
ているのかな、なんて思いましたから、そんな数字だ
と思います。
電磁波試験室
携帯電話でも話題になる電磁波障害(EMI:
Electric MagneticInterference)に関する測定を行っている
部屋です。電磁波的に外部とは遮断された電波暗室を見せ
てもらいました。360度回転させて調べるためのターンテ
ーブルや巨大なアンテナが設置してありました。他に電磁
波を照射して影響を調べる試験室もあるとの事でした。電
波は発泡スチロールに塗られたカーボンに吸収されて熱に
なることで不要な電波を防いでいるとのことです。一部フェ
ライト(磁石)も併用しているようですが。構造材は三角を組
み合わせた鋭角的なものが組み合わさっています。不思
議な光景です。
音響試験室
場所を移動して次は音響試験室です。最初に見たのは事
務所での使用を想定した床以外の個所からの音を遮断し
た状態の半響試験の)部屋です。壁面は特殊な形をした
中にグラスウールが詰まった鋭角的な物体で構成されて
いました。床面も中二階的な床をワイヤーで設置すれば無
響室にできるとのことでしたが、それは出来てから一度も
使われていないそうです。オペレーターの頭の位置や周囲
のもっと高い位置にマイクが設置されていました。ここでは
他社が発表しているノイズがどこで測定しているものかが
判らないので比較しにくいといった話も出ていました。
次に残響試験室に入りました。ここではマシンのノイズが
より響くような造りになっていました。前の部屋との比較で
言うと音量と音質の違いなのでしょうか。せっかく説明して
もらって申し訳ないですが、ちょっと理解できていません。
昔測定していたのは汎用大型コンピュータ用のベルトドラ
イブで廻っているような低周波ノイズだったこともあるそうで
歴史を感じました。
音響試験室での作業は必ず二人以上で入る事、でないと
倒れても助けが呼べないというから、というのはやっぱり
ただものではありませんね。
ただ質問のところでも話題になったACアダプターの異音
も検知できるだろうに、という気もしました。バッテリ
ーの消度を色々変化させたような状態でのテストが抜け
ているのかもしれませんね。あるいは話題になるのが台
湾製造の1200と韓国製造のX20なので、テストが違う、
あるいはプロトタイプと生産モデルが違うとか。あ、こ
れは私の勝手な想像なので悪しからず。ただ、これだけ
テストしておいて、なんでThinkPad Clubでの書きこみの
ような障害(?)が起きるんだろうねぇ、とも思いました。
ノイズに関して言えば、昔TP365Xを買ったばっかりの時
に、バッテリーの充電度合いによってシャシャシャとい
うノイズが気になったことがあります。その時はインバ
ーターとか電源系の回路だったとの事ですが、最近の話
はUSBもからんでいるようで。お互いの回路が近過ぎて
干渉とかしているのでしょうか。何故市販されるまで
チェックできなかったか、の疑問は試験室を見ることで
なおさら深まった結果になりました。ま、この件はその
うち解決されることを期待しておきましょう。
今回見せて頂いた試験室は一般の社員の方では見られな
いという場所ということで、こういう場所を見せていた
だいた事に感謝します。
歴代モデル展示
試験室のあるブロックからブリーフィングルームのあるブロッ
クに移る渡り廊下にズラッと歴代のThinkPadが並べてあ
りました。全てのモデルが揃っていなかったのは残念で
すが、モノリスの異名を持つ5527やDOS/V原器となった
5535S、ラガブルモデルのPS/55 5545相当のPS2といった
古いものもありました。535系が無い事を指摘する参加
者もいましたが、他にも幾つか漏れはあったようです。
まぁ300系なんて色々ありますからスペース的にも全て
を並べるのは無理でしょう。でもいかにもThnkPadの聖地
らしくて良かったです。営業支援で見学に来る業務ユー
ザーには何でこんな古いモデルなんか並べてと猫に小判
状態かもしれませんね。余談を言えば今回の参加者の中
には個人でこれをはるかに上回るモデルを収集されている
方もいらっしゃるようで。
感想
この後、ブリーフィングルームに戻って解散になりまし
た。エンドユーザーとこういう機会を設けてくれたIBMの
勇気と対応に感謝します。欲を言えばプレゼンよりも質
疑応答、ディスカッション中心のプログラムでも良かっ
たかな、という気がします。一般のIBMの社員よりも個々
のThinkPadについては詳しい人間が多いことでしょうし
IBMの開発体制よりも各自が抱える個々の問題、疑問に
対する答えの方がユーザーがより興味があったように思
えるからです。特にキーボードに関しては入力のリズム
と音というロボットでは検知しにくい要素について是非
検討をしていただけるといいなぁと思います。初の試み
とあってIBMも勝手が違ったという面もあったでしょう
が、非常に充実したプログラムでした。一つには事前に
質問を提出しておいたためでもあるのですが、この質問
に対し、その分野の専門の人間を用意してまでして対応
してくれたIBMの誠意、熱意が感じられたからです。む
ろん社外秘、機密に関するようなものは仕方ないのです
けど、それなりに皆満足できたのではないでしょうか。
願わくはまた何時の日か、こういう機会があることを信じて。
打ち上げオフ
大和事業所を出て、夜は恒例(?)のオフになりました。
OZAKI'S氏を始め、神戸、名古屋からもわざわざ来ていた
だいた遠来の参加者が多かった訳でもありますし。ちな
みに大和のお土産はロゴ入りのボールペンでした。
19:30過頃にお店についてワイワイやり、お店を出たのが
23:00過ぎでした。地下鉄を乗り継いで京葉線に出て、最寄
駅からタクシーで帰りました。電車が動いている時間で納ま
ってよかった、なんちゃって。前回、箱崎で集まった時はこれ
がなかったし、すぐに仕事に戻ったとかでスカッとできません
でしたが、今回は大いに憂さ晴らしに利用させていただきま
した。Thanks>参加者&IBM。長々と読んで頂いたあなたに
も感謝。