前編(その3へ)
お待ちかねの質疑応答編です。
Q:今後のサブノートでマイクロDIMMタイプのものを採用
する予定はありますか
A:カードのサイズは小さいが載っている大きさは同じと
いうもの。価格も現在とそう変わらない。(メモリにつ
いては)将来はどの機種でもどれでも使いまわしができ
るようにしたい。マイクロDIMMは規格的には出てきた
ばかり。今のところ評価検討段階だが正式に(採用を)
決めている訳ではない。
Q:PC110クラスについて継続的にノウハウの蓄積はされて
いるのか
A:テーブルには載っかっているが出荷にはなっていない。
Q:サブノートにおける高解像度(=XGA)化が他社に比べて
遅れたが、解像度決定の指針は
A:技術的には(もっと早く)可能だったが、トータルな意味
での使い勝手を重視。アクセスビリティ、使い易さを考
えてスクリーンマグニファイア(ワンタッチのSVGA表示
切換)をつけて10.4XGAを出した。今後の指針については
明言できない。15"であればUXGA、1600x1200、14"では
SXGA+(1400x1050)まで来ている。高解像度以外にも、も
っと明るいもの、あるいは広視野角のものとか様々な要
素から検討している。
Q:ビジネスと家庭向けと分けるのは体制は(今後も)続くの
か。何故かと言うと(iシリーズの)色が気になっているため。
A:体制は変わらないが色はちょっとは変わるかもしれない
Q:ADSLやルーターの普及で家庭向けでもイーサネットの
標準搭載を
A:今後は両方に。iシリーズは(Mini PCI等で)選べるように。
Q:TrackPointはどんな素子で動いているのか
A:(機構設定の部署の人間からの説明)
__ 2mm
| | ←(赤ポッチ)
Parmrest Shape
(原理は)圧力(検知)、ストレインゲージ(=歪ゲージ)。
アイデアはIBMのリサーチの中にあった。TrackPointの開発
は耐久性、使い易さ、強度設計、コスト等の点で実現できる
かどうか判らないままという見切り発車的なところがあった。
PowerBookでAppleが巨大なトラックボールを搭載したため
それに負けない操作性ということで開発された。
TP600まではスティックの四方に貼られた歪ゲージで四方向
に抵抗を検出。押したという圧力を検知して専用マイコンの
ファームウェアで方向、時間、加速度を計算している。最近
のモデルはベースのプレート部に埋め込まれている。こちら
の方が品質のバラツキが少なく生産工程も楽といったメリッ
トがある。ファームウェアの内容は日々改善されている。な
おIBMのコーポレートカラーは赤、青、緑だが、そのうち2色
はトラックポイントの赤、センターボタンの青に使われてい
る。緑もどこかに、という話もある。こういうのにこだわる
会社でもある。
Q:薄型化でキーボードが以前に比べるとタッチがチャチ
になっているのでは。X20ではPCカードのスロットの上
だとかが判る。昔と比べると均一ではない感じ。タッ
チから押しきった後の強度が落ちたように感じる。
A:質問の後半部分に「鋭いですね」と感想。過去のモデ
ルの中ではTP600のキーボードは一番良い。フィードバ
ック、剛性がある。しかし厚さ、重さに犠牲を強いた。
(この頃と)キーボードのフィーリングに対する考え方
は変わってきている。キーボードのストロークは0〜3
mm弱を狙って作っている。キーボードについては(下記
のグラフの)3点を押さえてみている。
/ /
/\/ → /\ /
/ /
2.73 3.30
(左と右では右の方が横に伸びています)
(この後、X20のEnterキーの音がペチャペチャするという
指摘があり、X20を取り出して音を聞く。)
Enterキーだけ音が違うのはキーを叩いているときの
フィーリング、リズムに影響するのでチェックして欲しい
という意見に対しては、音の評価はしているとの事。
(音というより音質の評価が必要なのかもしれない)
キーボードの評価が高いThinkPadではキーボードを頻繁に
叩くヘビーユーザーが多いので、打鍵のリズムにも配慮
して欲しいとの意見あり。また、キーボードの下の剛性が
不足している。一枚鉄板を敷くだけで違うとの意見も。
これに対しては重くなるとの指摘があった。最終的には
次のモデルでは変わるかも、という含みがあったような。
(個人的には打鍵官能テストというか、長文を打つ人間に
リズミカルに打てるかどうかの評価テストが必要なように
感じる。波に乗っているのに、途中でところどころ、ヘチ
ャと入るのでは気がそがれる場合もあるかもね、と思う
ので。もっともドライアイ対策であまり熱中して打鍵し
ない方が無難というのもあるけど...)
Q:最高出力の56Wといった数字の根拠。
A:(付属する)ACアダプターの最大出力の数字。56Wというの
であれば、いかに使ったとしても56Wまでという意味。
56Wの場合、いっても45-50Wぐらい。これはPC
CARDスロッ
トやUSB(への給電)も想定している数字。超えそうな場合
は72WのACアダプターをつけている。
Q:聞き漏らし。回答からすると、業界に誇るようなスペック
のマシンを、とでも?。iモードとも聞こえたので電話機と
の融合を想定したコンパクトなマシン、iモード対応PC110
の話だったのかも。
A:(業界最高の数字を競うより伝統的な良さを重視してトー
タルな性能で勝負するような事を言っていた。)
電卓のキーボードを使えば薄くすることは可能だし、専用
の特殊なパーツを使うことでも業界最高の数字を出すこと
は可能だが、(そんなことはせずに)総合的な機能の中で考
えるとの事。PC110に関しては、検討のテーブルには載って
いるが具体的な計画には至っていないとのこと。
Q:HDDでDARA-12GBのものが6GBとして装着されてくる
事があるがどういう技術でやっているのか
A:HDDのマイクロコードで行っている。クリッピング
という技術。パーツの供給は(使われているパーツ
が新しいものに切り替わった時には在庫を)新しい
ものでやっていくというのはIBMだけなく他のメー
カーでも行っている。ローレベルフォーマットでも
残りの領域を使用することは無理。
Q:DBCAのHDDで故障の話を多く聞くが、何か問題があっ
たのか。
A:社外秘。問題がある場合はサービス、営業に連絡して
欲しい。製造上のスペックは満たしている。
Q:Linuxを新人に研修させるそうですが、推奨のディス
トリビューションなどはありますか
A:一部マスコミ報道は事実と違う。入社前の新人に事前
にパソコンを配布するような事はない。しかしLinux
には力を入れている。新人研修にもLinuxは導入して
いる。特定のディストリビューションの推奨などは
ない。
Q:今後Linuxのプリインストールの予定は。
ThinkPadのLinuxプリインストールの需用は少ないと
思う。必要なユーザーが自分で導入している。したが
って出すつもりはない。特定のディストリビューショ
ンを推奨する予定はない。ただ、互換性の検証はして
いる。日本語版ではRedHat、Turbo、カルデラ等4種類
の互換性をテストしている。なるべく多くの互換性を
テストする。デバイスドライバも例えばTP600のACPの
ドライバを先日公開したように整えていく。
Q:米IBMのようなディスカッション・フォーラムを
設ける予定は無いか。
A:予定は無い。
近いものとしてはClub IBMのフォーラム、
e-テクニカルスポット経由のeメールのサポート等は
現在やっている。
Q:液晶パネルは複数のベンダーを使っているようだが
メーカー間で色温度が違う。個人で一台しか買わない
場合は気づかないかもしれないが、企業で複数台並
べてみるとデザイン系(のアプリケーション)で見た
場合に判る。
A:試作段階で合わせられるものは合わすように努力は
している。サプライ屋さん同士で違うのは今のところ
仕方が無い。(問題がある場合は一度メーカーに戻し
てもらってパネルを交換するしか手が無い)。
Q:DVD-Rの搭載の予定は
A:まだ先。デバイス屋さんでもまだ未発表だし。
Q:240の後継はいつ
A:検討中のようなニュアンス(メモ判別不可のため)
Q:TPi1200やX20でのACアダプターのからの異音が
ThinkPad CLUBで見かけるがテストはしているのか
A:音響の試験はしている。開発段階以外での生産段階
でのサンプリング(に対するテスト)も行っている。
工場では工場のやり方でしているはず。
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