ジャンク道

不定期コラム Vol.27
2000/05/14

リース終了品が以前よりも一般に放出され始めたため、
ジャンク品レベルの製品に関する質問がThinkPad Club
でも増えてきています。今主流なのは486を搭載した
(といっても、クロックも33MHzから133MHzと幅広くあり
ますが)マシンでTP230Cs,360,370,530,75xシリーズ等
といったマシンが多いようです。中には異色の2435ペン
コンピューターとかもあります。値ごろ感からの衝動
買いも多いようですが、できたら衝動買いではなくて、
少し素性を調べた上での購入をお勧めします。むろん
ジャンク道の鉄則として見つけた時に即買うべし、と
いうのがありますから、難しいところではあります。

なぜ飛びつき買いを勧めないか、についてです。
IBMは比較的古いマシンのパーツも取り寄せとかで入手で
きる方ですが、それにも限度があります。ポイントはメ
モリ、HDD、ACアダプター、用途です。


ACアダプター
TPは比較的最近のマシンと互換性のあるACアダプターが
延々と継続していますが、中には特殊なものもあります。
代表的なのはTP230Csです。これは公式には営業活動終了
ということで、正規ルートでは入手できません。このため
個人売買で探すか、秋葉原等のジャンク屋を探すしかあり
ません。他の機種のものが流用できるかどうかが微妙な
ものは、PS/55noteのC23V/M23/S33以前のモデル、TP220,
TP340,ParmTopPC110,TP710/730系のペンコンピューターが
挙げられます。これらのモデルを買う時は、可能ならACア
ダプターの動作確認をしてく事をお勧めします。マシンに
よっては、例えばIBM純正のCD-ROMのものが流用できたりも
するようですが、これらの情報はインターネットに散在す
る個人のホームページを中心に調査しないと把握できない
事も多いです。また、台形4pinのものも既に現行シリーズ
では存在しません。将来的には問題になってくるかもしれ
ません。秋葉原のPS/PLAZA WAKAMATSUやClub IBM等で
過去のモデルのACアダプターを入手できると思いますが、Club
IBMの在庫処分バーゲンセールを除けば、通常は定価販売
だと思っていた方がいいと思います。店側も死蔵在庫にな
るリスクを取って販売している訳で、より安く、というの
は、現実には無理難題に近いかもしれません。、


HDD
PS/55note,TP320,TP330Cs,TP55xBJはHDDがEnhancedIDE
(E-IDE)に対応していません。またN51sxx,N27sx,TP700C
(C52 486SLC),TP720CはESDI、PowerSeries820/850はSCSIと
現在では修理しようにもはほぼ入手できないタイプのHDDが
使われています。飾るのと実用とで違いますが、知らない
で衝動買いすると、使えるようにするのに結構苦労、コス
トがかかります。これらのモーターが実際に回っているような
部品は壊れていて当然だと思ってください。運がよくて使えて
も結局はいつかは代替パーツが必要になります。それが入手
できるのかどうかまで含めて、あるいは、壊れたらそれまでよ、
と最初から覚悟しておくか、また同じのをジャンクで探すのか、
とかも考慮しておいた方がいいでしょう、もっともそんな事まで
冷静に考えていたらジャンクあさりができなくなりますので、頭
の片隅に入れておいていただければ結構です。


ディスプレイ
ノート初心者の方の質問で時々あるのが、画面がVGA解像度
(640x480)で狭いので大きくしたいというものです。CRT(ブ
ラウン管)では解像度がVGAでもSVGA(800x600)、XGA(1024x7
68)といった解像度でも対応していれば自動的に画面全体に
表示されますが、ノートPCでは液晶ディスプレイがハードウ
ェア的に最大限対応している範囲までしか表示できません。

発売時にVGAまでしか対応していないのであれば、外付けディ
スプレイを使わない限り、VGA以上の表示はできません。
逆にSVGA以上の解像度のモデルではVGA解像度のものを表
示させると画面中央部に小さく表示される、あるいは、スクりー
ンエクスパンションが有効だと画面全体にあまり綺麗と言え
ないフォントで拡大表示されます。

一部のモデルでは仮想スクリーンと言う、現実の表示範囲が
大きなディスプレイの一部を表示しているようにする機能を
持つものもあります。ただし、これは個人的には使い勝手は
よくないと思っています。

マシンによっては特別のドライバを使わないと256色以上の
表示ができないようなものもあったりしますが、この手の
問題は購入後、例えばThinkPad Club等の過去ログを見る事
で判る事が多いです。

ジャンク品でも古いもの、例えばTP220あたりだと液晶の液漏れ
とかも起きているようですし、カラーのTP230Csとかでも、そろそ
ろバックライトの消耗が起きている気がします。TP560のヒンジ部
のひびわれとかもあります。ジャンクはやはりジャンクのつもりで
それなりの覚悟をして入手されることをお勧めします。


メモリー
ジャンク品を再利用するのに重要なのがメモリーです。メモ
リーの量が十分なら重たいOS、アプリケーションにも使用で
きます。386マシンでは機種専用SIMM、486では大体IC DRAM
CARD(一部のDIMMアダプター対応モデルで5V 72pin DIMM)です。
TP230CsとTP701C/CS,TP365E/EDが3.3V 72pin DIMMです。
TP760C/CD/L/LDでは88pin DIMMという特殊なものが使われて
います。Pentium以降はTP760Cxx/Lxxを除けば古いものは専ら
144pin EDO DIMMですし、最近のものは144pin SDRAMです。
マシンによっては64MB DIMMに対応していないものがあったり
しますし、BIOSの版をを上げれば認識するものもあります。
買ってから調べるのではなく、事前に調べてから、できれば
これぐらいの知識は持っておくことをお勧めします。出物は
ある時に買わないとすぐに無くなる事が多いので、最悪、調
べている間に売れてしまいます。


イメージトレーニング
使う用途によれば、メモリーが少なくても十分と言う場合も
あります。WIN9xでは32MB IC DRAM CARDが欲しいところでも、
例えばLinuxでは16MBで済むとかになれば、入手性、コストも
大分違ってきます。買ってどう使う、それにはどれくらいのス
ペックがあれば十分か、あるいは、この目的のためにOSはどれ
で仕様はどの程度、という事を事前に、もしくは、店頭でイメ
ージできるようにされておくといいでしょう。価格だけで飛び
つ無手勝流はノートパソコンでは結構リスク度が高い気がします。


リサイクル
私のようにビジネスで大量に使う場合、あまり仕様が分かれた
り、古かったりすると管理コストが高くつくので、結果的に
比較的新しめのモデルを絞って入れる事が多いです。古いモデ
ルは即お蔵行きです。でも使い方によっては旧型のマシンでも
有効に使うスキルがある方、あるいは、それほど速度を重視し
ていない方では古いモデルでもよいのかもしれません。環境の
点から見ると今の私の短いサイクルの入れ替えは結構問題含み
のような気もします。本当に必要なユーザーへうまく資源を移
譲できればいいのでしょうが(例えば教育機関とか)、現状はリ
ース物件が中心のため、それもできません。これは所有者であ
るリース会社が責任を持って廃棄することに法律で定められて
いるためです。昨年からPC減税で導入した買取分についても、
一部の税金(確か地方税、固定資産税といった類)は償却期間6年
で計算するようなので、これも判りません。書籍、漫画では中
古の流通ネットワークが整ってきたために、新品の重版が減っ
て作者の創作活動にも影響が、という話も聞いていますが、マ
シンの性能差が明確なPCではそういう事も起こりにくいでしょ
う。自分のニーズ、レベルに合ったマシンを相応の価格で入手
できるようになれば、それはそれで良いことだと思います。
古いマシンの場合、メンテナンスが例えば発展途上国にいる、
ありあわせのパーツで何とか修理してしまうような職人技の入
る余地が車とかに比べて少ないので大変だとは思いますが。


入手方法
王道はやはりジャンク屋さんを丹念に回ることです。またWEBでも
情報が飛び交っていますので、お店のサイト、各WEB相談室とか
もチェックしておくといいでしょう。インターネットのオークションと
いう手もあります。ただオークションと言う性格上、世間相場より高
くなりがちかもしれません。品質も実物を確かめられませんし、結
構詐欺のいような事故も起きているようです。オークションの場合
は最初に投資枠を決めてあまり熱くならないようにしておいた方が
無難でしょう。むろん熱血マニアなら別ですが。日進月歩のパソコ
ン世界において、旧型マシンに資金をやみくもに投入することは、
企業のシステム管理という立場の人間からすると否定的にならざ
るをえません。すぐに今までの最高マシンが旧式になって落ちてく
る訳ですから。個人の趣味の世界と尺度が違うのは判ります。くれ
ぐれも家庭崩壊など起こさない程度にご自愛ください。


保守
メーカーも商売ですので、そういつまでもあらゆるモデルの修理に
対応してくれる訳ではありません。IBMがどうだかは判りませんが、
保守部品と言うのは利益を生まないコストそのものですので、各社
ともこういうご時勢なので、手持ち在庫は減らしていると思います。
また、昔のマシンほど価格が性能に換算して割高ですので、仮に
修理可能だとしても、コストが新品の現行マシンが買えるぐらいに
なる可能性もあります。駄目ならすっぱり諦める、といった事も
場合によっては必要でしょう。ディスプレイの障害で10数万、システ
ムボードで20数万、キーボードで3〜4万円といったところでしょうか。
ジャンクは腕が物を言う世界だと割り切ってください。腕さえあれば
安く修理する事も可能でしょう。


最近のブーム
2435 PEN PCが秋葉原で放出されてちょっとしたブームになって
います。ペンコンピュータの夢よ、再びでしょうか。個人的には
WorkPadといったPDAがあるので、あえてPC上でのペンコンピュー
ティングをする事も無いのでは、という気もしますが、スタイ
リッシュなマシンでもあるし、なかなか人気があるようです。
個人ユーザー層が増えればノウハウが積みあがっていくのが常
ですので、このサイトでも注意しておっかけたいと思います。

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