さらばThinkPad 240  かな?
不定期コラム Vol.10
2000/04/05

本業の方にかなりパワーをとられたのと、モデム関係の
まとめで少しお休みさせていただきました。

さて、私もボードリーダーとして参加しているThinkPad Club
でTP240の生産終了と次期モデルの噂が少しずつですが飛び
交っています。このコラムの最初の方でTP240に代表される
品質の低下、等悪口を言ってきましたが、いざラインナップ
から消える方向にあると聞くと複雑な気分です。現実にメー
カーから公表された訳ではないので、ラインナップの追加と
いうこともありうるのでしょうけど。

TP240が消えると仮定して、その原因を憶測すると..
まぁ、考えればきりがありませんが。

で、TP240打ち切りの結果として
IBMのA5/B5サブノート(MiniNote)路線からの撤退
結果として人力で長時間携帯できるPCという選択肢がIBMから
無くなるのを恐れます。次期モデルに期待するしかないのですが。

次期モデルについて少し考えてみます。

サイズ
現在、TP570を携帯していますが、このマシンは前にも書いた
ようにちょっとでかすぎます。噂の新モデルはThinkPad Club
での話を信じるならTP240<NewModel<TP570となります。本当は
A5路線も用意して欲しいのですが、これは難しいのでしょうか。

画面
個人的にはXGA解像度では13.3"は欲しいので必ずしもXGA解像度
にこだわっている訳ではありませんが、他社や初心者ユーザー
への訴求力を強くするために、XGAモデルのラインナップもぜひ
用意して欲しいものです。テクノロジー志向の強いIBMですが、
マーケット・オリエンテッドな商品政策もできることを示して
欲しいです。でも自分が使うならSVGAでしょうね。もしXGAがコスト面
で問題になるなら、このモデルだけ直販にするとか。売り方も工夫
してペイできるようできないものでしょうか。あるいは逆でもいいですけ
どね。TP600で家庭向け、企業向けと販路・モデルを分けた売り方も
やったわけですし。ここらでDELL並といかないまでももう少し直販に
力を入れてもいいかも。どうせ店頭はSONY,NEC,富士通で占拠されて
しまっている訳だし。

KB
結果的に本体の大きさが現在のTP240より増す事でKB用のスペー
スの余裕ができるなら、TP240のような(変則)KB仕様ではなく
従来のTP伝統の配置でやってもらいたいです。またスライド
パッドは絶対反対。TPのアイデンティティ喪失に繋がります。
東芝のOEMで入れた廉価機みたいな事はしないでください。
ワールドワイドのマシンというのであれば最低サイズはTP240と
いうことになるのでしょうけど、もし日本独自のモデル設定が
可能ならばTP235クラスのキーピッチも容認して欲しいです。
指に合わせたKBではなくて、KBに指を合わせますから。

レガシーI/F
Linuxサポートを打ち出しているのでそうそうUSBだけという訳
にもいかないのでしょうけど、そろそろレガシー系のI/Fは
ポートリプリケーターにまとめて本体から排除してもいい頃かも
しれません。WIN98もなんとか安定してきたようだし。PCMCIAを
3個持つTP235はWIN95時代の名機ではあったけれど、WIN98時代に
なればUSBをもっと活用してもいいかもしれません。プリンター
もネットワーク化の進展でパラレルポート経由よりもLAN経由の
方が増えているでしょうし。もしA5ノートの復活がこういう形で
なら可能というのであれば、それはそれで容認します。

品質
ここのところのクオリティ低下はブランドに対するユーザーの
信頼性を懐疑させるところにまで近づいていると思います。
MACのエバンジェリスト(伝道師)ではありませんが、ThinkPad
にも長年かけて養われた熱烈なファン層があります。どうか
これを瓦解させないよう、TPを選んで良かったと思わせるよう
にしてください。TP240の数々の不具合はロードテスト不足に
よるのでは、という気もしています。また、収益に響くかも
しれませんが、大量の台数で起こる不具合に対してはWEBでの
BIOS/ドライバの配布はもちろんですが、塗装剥げ、KBの不具
合等については場合によっては車のリコールのような対応も
検討して欲しいです。それが嫌なら起きないだけのきちっと
した事前チェックを、ですね。

PR/戦略
昔センセーショナルを巻き起こしたTP220の再来をぜひ、ですね。
インターネットの普及で展示会に足を運ぶ事は減ってますので
ホームページを使ったうまい広告戦略を期待します。おりしも
西暦2000年はDOS/V登場から10年にあたります。DOS/Vという
言葉は残念ながら死語になってしまっていますが、あの時の興奮、
日本のモバイル、というか、世界のモバイルPCをリードしてきた
IBMの面目躍如といった風になることを期待しています。確かに
消費者に向けた宣伝・マーケティングという面ではSONYに一日
以上の長がありますが、がんばって欲しいですね。今ちょうどTP
のブランド創世期の米IBMの動きをまとめたビジネスものの洋書
A Different Shade of Blueを眺めているところです。一から作る
のが一番ダイナミックで楽しいものですが、それを維持するのも
大切な作業です。DOS/V 10周年を新たなスタートにできるよう、
IBMの動きに期待します。かいかぶり気味かな。まぁ何にせよ、
実物を見るまでが一番楽しい時期です。スティングレイ(TP570)の
時もそうでした。


    
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