画龍点睛を欠く

不定期コラム Vol.13
2000/04/09

風邪のせいなのか、花粉症の薬のせいなのか、体調があまり
良くないので手短に、と。花冷えかな?

他社に比べて充実した日本IBMのサポートファイル提供サービス
http://www.ibm.co.jp/pccsvc/thinkpad.html
なのですが、このHPでBIOSや各種ドライバの資料をまとめてき
て感じるのは、惜しい、もう少しやってくれていたら満点なん
だけどなぁ、という印象です。

そもそも元データは米IBMの方に先に登録され、それを日本語
の説明を付けたり、対象モデルを日本発売のものに直したりし
てあるのですが。この対象モデルの仕事のやり方に愛情が足り
ないように感じられます。

曰く、TPi1456/1476だけで、添付アプリケーションが違うだけの
TPi1459/1479が無い、とか、TP570はあるけどTP570Eが無い
とか。特にひどいのが日本国内専用モデルだったTP535シリー
ズの扱い。TP535はあるけどTP535Eは抜けているとか。また、
TPiシリーズ1400が始まった時は確かにモデルを書かなくても
シリーズ1400とあれば対象は2611-434/436/454/455でしたが、
その後、別のシステム構成のモデルが追加されても補足説明一
つありません。皆が皆判るはずはないですから、不親切というか
誤解を招きかねない表現になっているのは事実です。この手の
話はまだ幾つもあって、TP600EでもBIOSの対象モデルに自分の
マシンが無いという質問がThinkPad Clubでされるといった具合
です。

要は一度WEBサイトに登録したら後になってマイナーチェンジが
行われたような場合でもアップデートがされていないようなんです。

確かに大事なのは実行ファイルの提供なので、説明までは手が廻
らないよ、と言われるかもしれません。WEBで提供されているファイ
ルに付いては基本的にはサポートしません。自己責任で、とあった
と思いますが、中途半端な公開は、自己責任とりまくりのベテラン
ユーザーはいいとしても、サポートの良いIBMという評判で買ったユ
ーザーに対して悪印象を与えかねません。米IBMはもっとしっかりと
した作業をしています。

願わくはユーザーのリスクで不完全なリストでも自分で判断して
やってね、でなく、もう少し痒いところに手が届くようなメンテナンス、
自分が初心者になった感覚での仕事をしてもらいたいもんです。
私がチェックしてもボロボロ出てくるのだから、プロがちょっと確認
すればそんなに時間はかからないと思うのですが。逆にメンテナン
スができないから公開を止めようなんて話になるぐらいなら現状の
ままで構いません。

ちなみに表題の言葉は、最後の詰めの甘さを指摘する時によく
持ちいられる格言です。「がりょうてんせいをかく」で、名人の書いた
龍の画に何故か「睛=ひとみ」が書かれていない、最後の仕上げと
して無理にお願いして睛を画いてもらうと龍が画から抜け出して天
に上っていったというような話だったと思います。



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