頑張れNEC


不定期コラム Vol.324
2001/07/20作成

頑張れNECといってもLaVie資料館を作ろうという話ではありません。
まぁ何というか敵の敵は味方という訳です。

週末にかけてWebに無いか探していたニュースがあります。それは
「NECのLaVieが凋落したのは個性の無いのが原因」といった内容の
記事です。あちこちのニュースサイトや検索エンジンでも引っかからな
いので、いわゆる専門紙(日刊工業、日経MJ、etc)あたりだったのか
もしれません。

最近でも別の部署の人間から初心者向けのパソコンに何を買ったら
という質問を受けることがあります。こういう時は個人の好みでは「IBM」
「富士通」は昔ひどかった、「ソーテック」は安くても絶対に止めた方が
良いと答えるのが普通になっています。

探していた記事の内容はアバウトな記憶によれば下記のようなものです。

NECは幅広いユーザー層をターゲットにしたために、製品もそれだけ当り
障りの無い性格になってしまっている。そのため個性の強いソニーに比
べてユーザーを惹き付ける力が弱い。また初心者が2台目を買う時に同じ
メーカーを買う比率が他社よりも低い、というのが問題。直販サイトでの
数字は上がってきているが全体から見ると微々たるもので、見込み生産
による在庫の滞留対策が課題。

業務でパソコンを管理する方としては、例え安くても何故安くなっているの
か、とか、買ってからが大変というサポートの重要性を身に染みて知って
いるので、IBM以外のメーカーの製品で安いのがあっても私は買う気には
なりません。まして最近はNetVectraによるダメージも受けてます。どうし
ても品質、サポートが良いメーカー、無難なモデルを初心者には薦めてし
まいますから、結果的にIBMでなければNECを次善の策として薦めています。

初心者に売れているというのはここら辺も影響しているのかもしれません。
ただメーカーへの忠誠度が低い点は課題ですね。パソコンの普及度も上
がって来てますし、そのうち市場は更新需要がメインの市場になるでしょう。
その時に代替、あるいは買い増しのターゲットとして同じメーカーを買って
もらえないのは大変厳しい状況だと思います。

最初は無難な線で、腕が上がったら次は個性的なものでも大丈夫という
慎重なユーザーも繋ぎとめられるラインナップがNECは弱いのでしょう。
過去に見かけた同様の調査ではソニー、DELLが上位に来ていてIBMは
下位でした。ですからNECの苦戦はIBMにとっても対岸の火事ではありま
せん。個人市場をターゲットに考えた時には更新需要よりも最初から
ずばりユーザーを惹きつける魅力も必要です。

ターゲットを絞った特徴あるマシンを、とはよく言われる話ですが。話は
それほど単純ではないでしょう。バックライトを廃す事でバッテリーの持続
時間を延ばしたモデルをNECが最初に出しましたが、結局普通のディス
プレイに寄った傾向のディスプレイを搭載したモデルを追加しています。
特徴があって個性があっても使いにくかったら結局売れない現実がありま
す。もし同じモデルをソニーが出せばこちらはそこそこ売れたのではない
でしょうか。そこにNECとソニーのブランド力の差があると思います。

市場分析関係の記事では、
・ソニーはスペック的には並になったマシンでもデザインをお色直しして投入
 してシステムボードといった資材を売りきることができる。
・ソニーは505のようなとんがったモデルが注目されるが、実は売れ筋は
 デザインはそこそこで割安感で勝負するA4ノート
  といった見方もあります。

ソニーに独走させないためにもNECの頑張りに期待したいところですね。
むろんThinkPadにも。NECの頑張りに期待したいのはまた別の理由がある
のですが、それは次回。

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