TP365X/XD
2000/03/21作成 2001/12/27更新
ここでの項目
仕様 概略
All about ThinkPadの準備稿
このページで用いた縮小画像の元画像は下記になります。
http://aguagu.tripod.co.jp/300/365x_g.htm
TP365X-XDの画像
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2871/300/365x_h.htm
TP365X-XDのHDD換装
http://aguagu.tripod.co.jp/300/300_g.htm
TP300シリーズの画像
仕様
365X 2625-6J6 P5-100 4- 40(72) 0.81 - 10.4"DSTN SVGA 2.7 V3
-6J7 P5-100 4- 40(72) 0.81 - 10.4"DSTN SVGA 2.7 W95
-7J6 P5-100 4- 40(72) 0.81 - 10.4"TFT
.SVGA 2.7 V3
-7J7 P5-100 4- 40(72) 0.81 - 10.4"TFT
.SVGA 2.7 W95
-3J9 P5-120 4- 40(72) 0.81 - 10.4"TFT
.SVGA 2.8 W95
-2J9 P5-133 4- 40(72) 1.08 - 11.3"DSTN
SVGA 2.7 W95
-BJ9 P5-150 4- 40(72) 1.35 - 11.3"TFT
.SVGA 2.7 W95
365XD 2625-6J2 P5-100 .4- 40(72) 0.81 4 10.4"DSTN SVGA 2.9 V3
-6J3 P5-100 .4- 40(72) 0.81 4 10.4"DSTN SVGA 2.9 W95
-DJE P5-120 4- 40(72) 1.08 4 10.4"TFT
.SVGA 2.9 V3
-DJF P5-120 4- 40(72) 1.08 4 10.4"TFT
.SVGA 2.9 W95
-EJE P5-120 4- 40(72) 1.08 4 11.3"DSTN
SVGA 2.9 V3
-EJF P5-120 4- 40(72) 1.08 4 11.3"DSTN
SVGA 2.9 W95
-4J9 P5-120 .4- 40(72) 0.81 4 10.4"TFT
SVGA 2.9 W95
-1J9 P5-133 .4- 40(72) 1.35 6 11.3"TFT
SVGA 2.8 W95
365X 2625-6J7 CPU P5-100 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 10.4"DSTN SVGA Trident9320 256色表示 VRAM 1MB
HDD 810MB パック式 CD-ROM 無 TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.7kg 35W/3W 100-240V NiMH 2.5h
価格 282K 発売 1996/04 IWS対象 OS WIN95
2625-7J7 CPU P5-100 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 10.4"TFT SVGA Trident9320 65K色表示 VRAM 1MB
HDD 810MB パック式 CD-ROM 無 TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.7kg 35W/3W 100-240V NiMH 2.5h
価格 398K 発売 1996/04 IWS対象 OS WIN95
2625-7J6 2625-7J7と同時発売(96/04)のOS/2
WarpV3導入モデル
価格 398K OS以外の仕様は同一
2625-3J9 CPU P5-120 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 10.4"TFT SVGA Trident9320 65K色表示 VRAM 1MB
HDD 810MB パック式 CD-ROM 無 TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.8kg 35W/3W 100-240V NiMH 2h
価格 388K 発売 1996/10 IWS対象 OS WIN95
2625-2J9 CPU P5-133 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 11.3"DSTN SVGA Trident9320 65K色表示 VRAM 1MB
HDD 1.08GB パック式 CD-ROM 無 TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.7kg 35W/3W 100-240V NiMH 2h
価格 378K 発売 1996/10 IWS対象 OS WIN95
2625-BJ9 CPU P5-150 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 11.3"TFT SVGA Trident9320 65K色表示 VRAM 1MB
HDD 1.35GB パック式 CD-ROM 無 TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.7kg 35W/3W 100-240V NiMH 2h
価格 428K 発売 1997/04 IWS対象 OS WIN95
365XD 2625-6J3 CPU P5-100 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 10.4"DSTN SVGA Trident9320 256色表示 VRAM 1MB
HDD 810MB パック式 CD-ROM x4 外付FDD TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.9kg 35W/3W 100-240V NiMH 2.5h
価格 318K 発売 1996/04 IWS対象 OS WIN95
2625-6J2 2625-6J3と同時発売(96/04)のOS/2
WarpV3導入モデル
価格 318K OS以外の仕様は同一
2625-DJF CPU P5-120 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 10.4"TFT SVGA Trident9320 65K色表示 VRAM 1MB
HDD 1.08GB パック式 CD-ROM x4 外付FDD TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.9kg 35W/3W 100-240V NiMH 2.5h
価格 468K 発売 1996/04 IWS対象 OS WIN95
2625-DJE 2625-DJFと同時発売(96/04)のOS/2
WarpV3導入モデル
価格 468K OS以外の仕様は同一
2625-EJF 2625-DJFと追加発売(96/07)の10.4"DSTN液晶搭載モデル。
価格 428K ディスプレイ以外の仕様は同一
2625-EJE 2625-EJFに同時発売(96/07)のOS/2
WarpV3導入モデル
価格 428K OS以外の仕様は同一
2625-4J9 CPU P5-120 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 10.4"TFT SVGA Trident9320 65K色表示 VRAM 1MB
HDD 810MB パック式 CD-ROM x4 外付FDD TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.9kg 35W/3W 100-240V NiMH 2h
価格 428K 発売 1996/10 IWS対象 OS WIN95
2625-1J9 CPU P5-133 L2 0 chipset 430MX
RAM 4-40MB(Max 72MB) 空1 144pin EDO
DIMM
VIDEO 11.3"TFT SVGA Trident9320 65K色表示 VRAM 1MB
HDD 1.35GB パック式 CD-ROM x6 外付FDD TrackPoint3
PC Card 16bit(Type3x1/2x2)
音源 SB Pro互換(ESS1688) USB 無 IrDA 有 Modem 無
W297xD211xH49.5 A4 2.8kg 35W/3W 100-240V NiMH 2h
価格 498K 発売 1996/10 IWS対象 OS WIN95
概略
TP365X
1年に渡って幾つものモデルが登場したビジネス向けの中核モデルでした。
Pentium、SVGA、音源、Pack式HDD等一通りの性能をバランスよく持つマシンです。
TP365XD
固定式のCD-ROMを内蔵したTP365Xの上位モデルになります。
FDDは他のサブノートとは互換性がありません。その他、詳しく
はTP365Xの項を参照してください。
BIOS、ドライバ、ユーティリティ
下記から入手できます。
http://www-6.ibm.com/jp/domino05/pc/download/download.nsf/DlSearch?OpenForm&ThinkPad
eテクニカル・スポット-ダウンロード・ファイル(ThinkPad)
ビデオ
Cyber9320搭載なのでWIN95導入の際の注意点はTP535と同様です。
<参照>
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2871/device/video2.htm#9320
TPビデオドライバ(旧機種) Cyber9320
ディスプレイは普及機では初のSVGAでした。モデルによりディスプレイのサイズが
違います。最終モデルでは11.3"TFTとなり、TP310と引けを取らないスペックでした。
DTSNモデルとTFTモデルではコントラスト/照度調整用のスライドスイッチの仕様が
違いました。詳しくはTP画像館拾遺の画像を参照してください。
http://aguagu.tripod.co.jp/300/365x_g.htm
TP365X-XDの画像
なお、解像度をXGA解像度にすることは物理的にできません。
メモリ
メモリの交換はキーボードを跳ね上げて奥の方のソケットに装着されて
いる標準のDIMMとの交換になります。先の小さいねじ回しが必要です。
最新BIOSにすれば64MB EDO-DIMMも使えます。BIOSの更新には
充電されたバッテリーが必要です。中古で買う場合はバッテリーの消耗、
もしくはBIOSの版をチェックしてください。1998/07/25付け Ver.1.10です。
メモリは144pin EDO-DIMMという一世代前のものになります。DIMMの
相性はEDO-DIMMではあまり聞きませんが、TP310で標準で使われて
いたものは認識できません。64MB DIMMではバンク数が問題になる
ことがあるようですが、詳細不明です。できれば動作確認が取れている
ものを入手してください。最近の主流のSDRAMは使えません。
標準の8MBと合わせてBIOSが最新ならば最大で72MBまでのメモリー
拡張が可能です。BIOSが古い場合は64MBを装着しても40MBまでになります。
HDD
簡単なディスクパック式のHDDを搭載しています。カバーやHDDの固定用
金具の穴の位置がモデル(年代)によって違っています。いわゆる旧ネジ、
新ネジの問題ですが、モバイルに使うので無ければ、全てのネジで固定
する必要もないでしょう。
HDDの交換はキーボードを跳ね上げてカバーの下にあるディスクパックを
取り出して中身を交換するのが一般的です。交換手順については
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2871/300/365x_h.htm
TP365X-XDのHDD換装
を参照してください。
標準では8GB未満のHDDしか対応していません。それ以上のHDDを装着すると
起動できません。他にデスクトップPC等があればBIOS騙しを使って認識させる
手段がありますが、一台しかマシンが無い場合は対応不可です。BIOS騙しの
ツールが用意されているメーカーのHDDをお勧めします。詳しくは
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2871/dm2000/dm2000.htm
Disk Manager 2000の使い方
ThinkPadではHDDのパラメーターは自動取得されるため、手動での変更は
できません。
サウンド
ESS1688を搭載しています。普及機にサウンド機能が搭載されたのは、このマシンが
初めてです。スピーカーの音量はダイヤルで調整できました。
なお、OSのクリーンインストール時に音が鳴らないといった障害が起きる場合があります。
下記はIBMのサイトにあった内容です。
TP560:ESSオーディオのリソースが競合した場合の回避方法
→デバイスマネージャーの「ESS
ES1688 AUDIODRIVER」の.リソースを
自動設定解除→
IRQを'05',I/Oポートアドレスを'0220-022F'に設定
あるいは、
デバイスマネージャーの「ESS ES1688
AUDIODRIVER」を削除後、電源OFF。
EASY SET UP(BIOS)で初期化を行う。再設定にはドライバのディスクが必要です
BIOSを起動して初期化(イニシャライズ)するのも効果があるかもしれません。
ESS1688
16 bit audio chip/18 vice MIDI FM Synthesis
One internal
Speaker/.5 watt/dial volume control/internal microphone
input
jack(streo)/microphone jack/output jack(stereo)/no Joystick
スペシャル・モデル
P5-150搭載のBJ9は国内専用モデルのため国際保証対象外になります。
このモデルはJUST A4サイズ採用の最後のモデルとなりました。
他に詳細は不明ですが2625-CJ9というモデルがあるようです。
保守
ACアダプターは俗に35Wというものです。もし故障した場合は最近の製品の
もので代用可能です。
<参考>
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2871/mente/ac.htm
TP ACアダプター照合表
http://www.aichi.to/~thinkpad/acad.html
ThinkPad Love ACアダプター
TP365XDの外付けFDDは他のThinkPadとコネクタの
サイズが違います。最悪IBMに取り寄せを依頼するしか手がないかもしれません。
パーツ番号等は後述の保守マニュアルを参照してください。
<参考>
http://www.aichi.to/~thinkpad/fdd/
ThinkPad Love FDDについて
バッテリー
もし新品を入手できたとしても結構高価です。下手をするとジャンク本体より
高いかもしれません。
<参考>
http://www.aichi.to/~thinkpad/batt/index.html
バッテリについて リチウムイオン
*TP365X/XDのバッテリーはNiMHですので、あまり関係ないかもしれません。
素人がむやみにバッテリーの改造をするのは危険ですので注意してください。
IBMのサイトにユーザーズガイドと保守マニュアルが収録されています。
http://www.ibm.co.jp/pc/home/manual/thinkpad.html
PC関連マニュアル−ThinkPad関連
http://www-6.ibm.com/jp/pc/home/manual/0012/a8857461.pdf
ThinkPad 365X/XD ユーザーズガイド
http://www-6.ibm.com/jp/pc/home/manual/0012/a8857652.pdf
ThinkPad 365X/XD 保守マニュアル
ThinkPad Love
http://www.aichi.to/~thinkpad/tp365x/
私のThinkPadずかん
http://www.mars.dti.ne.jp/~ayase/tp/tp365x_6j7.htm
Web製品カタログ
TP365X/XD
2625-6/7/D http://www.ibm.co.jp/pc/thinkpad/tp36566/tp36566a.html 96/06
2625-2/3/1/4
http://www.ibm.co.jp/pc/thinkpad/tp3656a/tp3656aa.html 96/11
2625-2/3/B/1/4 http://www.ibm.co.jp/pc/thinkpad/tp36572/tp36572a.html 97/02
全般
http://www.aichi.to/~thinkpad/catalog/tp365x/
中古で買う場合
中古で買う場合、バッテリーが消耗しているとBIOS
UPDATEが出来ず、
64MB DIMMが32MBしか認識されないままという事があります。それ以前に
EDO-DIMMの入手性が悪いかもしれません。
HDDは標準の814MBや1GBのものは寿命に近いと思います。換装する
場合は5GB〜6GBをお勧めします。それ以上の容量のものを希望する方は
自分のスキル、環境を考えて、よく調査してから買ってください。
10.4"SVGAのモデルは画面が小さめに感じられるかもしれません。
All about ThinkPad 1991-1998に書いた準備原稿の抜粋
既に入手難のAll about ThinkPadですが、私の担当した個所に
ついて引用します。HDDの中の準備稿からですので、実際に
掲載された内容とは違う場合もあります。また、内容も当時の
ままですので、リンク先や内容が現時点とは違っている可能性
があります。悪しからず。 (2001/12/27)
ThinkPad 365X
(2625-6J6/6J7/7J6/7J7/3J9/2J9/BJ9)
ThinkPad 365XD
(2625-6J2/6J3/DJE/DJF/EJE/EJF/4J9/1J9)
ThinkPad 365X/XD(以下、365X、365XDと記す)は、1996年4月にThinkPadシリーズ全体の
位置付ではミッドレンジ(中位)に位置するモデルとして発表されました。
Intel社がノートパソコン用のPentium対応PCIチップセットとして発表した82430MX(通称
Mobile Triton)を搭載したモデルです。Mobile Tritonの搭載によりEDO RAMや64ビットメモ
リアクセスが可能になりました。
PentiumとSVGA対応液晶ディスプレイ、144ピンDIMM、SoundBlaster Pro互換音源、IrDA
標準装備と、Windows95時代に要求される仕様を低価格でパッケージングしたモデルです。
しかし、キーボードを跳ね上げてオプションを換装する弁当箱スタイルは踏襲したもの
の、中の配置やオプションは従来モデルから大きく変わっています。長らくミッドレンジ
モデルで用いられたThinkPad 755/360/370系のオプション(たとえばディスク・パックや
IC DRAMカード、72ピンDIMM)は使用することができません。
ThinkPad 365XDはCD-ROMドライブを内蔵したモデルで、ディスケット・ドライブは外付けで
す。また、ThinkPad 365X/XDともHDDパック方式でした。
ローエンドモデルのThinkPad 365E/EDが1996年10月にラインナップから消えた以降、Thin
kPadの普及機のラインナップはこの一機種となりました。1997年6月のThinkPad
380/380Dの登
場までの間、CPUや液晶ディスプレイのグレードを変えつついくつかのモデルが登場しています。
なお、ThinkPad 365X/XDはモデル末期にはローエンドマシンとしても売られたため、本体価
格で20万円を切るところまで実売価格も低下しました。
コラム 365X/XDのHDDの換装
365X/XDは、キーボードを上げてHDDパックを交換する「弁当箱」スタイルをとっていました。
IBMからアップグレード用の1.08GBディスク・パック(2625)(筆者 注:筆者がHDDパックと書い
ているものはIBMの製品名では「ディスク・パック」を指します)という製品が用意されていますが、
158,000円と高価なのでIBMによる保証を重視する方以外はHDDのアップグレードをするときは
別の方法を考えたほうがいいかもしれません。
365X/XDのマニュアルに書かれている「ハード・ディスク・ドライブの交換」の項を参考にして
HDDパックを取り出すことができる人なら、PC/AT互換機のパーツショップで入手できる12.7mm厚
(スペース的な問題で12.7mmより厚いHDDは装着するのは難しいように思います)の2.5インチの
ベアドライブを購入すれば安価に換装できるでしょう。
HDDパックは、ベアドライブをケースで上下から被い、ネジで固定しているだけです。
ネジを外してHDDを取り出し、新しいHDDを前後・上下の向きを間違えずにセットし、ネジで固定
するだけです。新しいHDDのジャンパのセッティングはMaster(通常デフォルト)にセットできて
いれば特に問題はありません。
ネジ穴の位置が端側に寄っている(新規格の76mm幅のHDDの場合。旧規格は38mm幅)
IBM DTNA-22160という2.1GBのHDDの場合もHDDパックへ固定することはできます。
しかし、HDDの底面の穴の位置の違いから、HDDパックの上を被うノイズ防止用のカバーを
HDDパックに固定することはできません。カバーに穴を開ける、もしくはそのまま使うという
選択肢がありますが、私は後者を選択しました。
ディスク・パックを上から見た図
コネクタ・ピン
+-----|||||||||||||---+
| |\
| ○|新規格のネジ穴の位置
|こちらにも ↑ |(ここをネジ止めするにはシートーに穴を
|HDDに穴は | | 開けないといけません)
|有りますが | | |
|固定して | ●|既存のHDDと絶縁シートの穴の位置
|いません | | | ↑
| 76mm | | 38mm
| | | | ↓
|HDDの底面が | ●|既存のHDDと絶縁シートの穴の位置
|上側になって | | |
|います | | |
| ↓ | |
図では省略していますが~~ ○|新規格のネジ穴の位置
絶縁シートが被さっています|(ピン側の穴と同様)
+----------------+ |
\_________________________\|
ディスク・パックを横から見た図
+--------------------------------------+
--| |
--| ● ○← 38mm →○ ● |穴は片面に4か所あり、従来規格も
+-------------------------------------+ 新規格のものも装着できます
|← 76mm →|
コラム バス・マスタIDEドライバの導入
HDDの換装等でWindows95を再インストールすると、OSR2がインストールされている
2625-BJ9を除くThinkPad 365X/XD(Windows95モデル)では、ハードディスクコント
ローラがスタンダードPCI/IDEコントローラーとなり、Windows95のプリ・インストール
モデルのようなIntel 82371FB PCIバス・マスターIDEコントローラになりません。
バスマスタIDEドライバを使うには手動で導入する必要があります。
ディスケット・ファクトリーで作成するUTILITY(Windows 3.1、DOS、OS/2、Windows95)と
いうディスクの2枚目にi82430mx.infというファイルがあります。「コントロールパネル」→
「ハードウェア」→「自動検知しない」→「ハードディスク・コントローラー」→「ディスク使用」と
進んで来たら、前述の2枚のフロッピー・ディスクをFDDに入れ、i82430mx.iniを選択します。
後は自動でキにバスマスタIDEドライバが導入されます。
*2001/12/27注釈
OSR2の標準のバスマスタドライバは安心して使えましたが、それ以前のWin95、
例えば市販のWin95とこのドライバとでは色々と問題があったようです。また一度
導入するとアンインストールできない問題もあって、私は古いWin95にはこのドライバを
導入していません。OSR2では標準のドライバを使用しました。
OSR2の2625-BJ9ではこのドライバは標準でサポートされていますので、ハードディスク
コントローラは「スタンダード バス マスタリング IDE ハードディスク コントローラ」となっています。
○Windows95の再インストールにはご注意
365X/XDは、SVGA(800×600ドット)の解像度を持つ10.4インチまたは11.3インチの
TFT/DSTN液晶ディスプレイを装備しています。そのため、DOS(VGA)画面は画面中央に
一回り小さく表示されます。DOSのVGA画面をSVGAサイズの画面いっぱいに拡大して
表示する機能もありますが、フォントが汚く、個人的には実用にたえないように感じられました。
ビデオチップはPCI接続のTident Cyber9320です。このビデオチップの場合、なんらか
の事情でWindows95を再インストールするときにハードウェアの自動検出の途中で画面が
フリーズしてしまいます。もしそうなった場合は、いったん電源をオフにして修復セットアップを
行い、前回フリーズした個所をスキップ(つまり、「デバイスマネージャ」−「ディスプレイアダプタ」
のS3ドライバの検出を外す)しないと先に進めません。
この件についてはユーザーズガイドの第7章「ソフトウェアを導入する」の「Windows95の導入」の
項(186〜189ページ)に載っていますので、Windows95を再インストールの必
要のある方は必ずご覧ください。なお、同じビデオチップを持つThinkPad 535でも同様の現象が起きます。
365X/XDのWindows95用のビデオドライバがパソコン通信等で配布されています。NIFTY
SERVEでは
FIBMFEEL<未来電子環境研究所> DL7:日本IBM製品情報ライブラリの
#405 HXD303.EXE ThinkPad ビデオ・サポート(W95) に登録されています。
○PCカードスロットとポインティングデバイス
365X/XDのPCカードスロットではType I/IIのPCカードが2枚、またはType IIIのカード
が1枚使えます。ポインティングデバイスとしてTrackPoint IIIを装備しています。
365X/XDにはPCカードの情報表示やカード挿入時にアプリケーションの自動始動を
可能にするユーティリティ、PCカード・ディレクターが初期導入されています。PCカードを
認識させる事自体はWindowws95標準のPCカード・ドライバで出来ますので、従来より
必要度は下がっています。しかしDOSでPCカードを使う場合には必須のソフトウェアです。
パソコン通信等でPCカード・ディレクターが配布されています。ディスクのバックアップを
作成し忘れて紛失したような時は参照してください。NIFTY SERVEではFIBMFEEL
<未来電子環境研究所>DL7:日本IBM製品情報ライブラリの
#517 CDW9405.EXE TP PCカード ディレクター 2/2
#516 CDW3406.EXE TP PCカード ディレクター 1/2
に登録されています。
○赤外線通信とモデム
365X/XDの赤外線通信ポートの転送速度はIrDA 1.0準拠の115kbpsで、シャープモード
(ASK方式)はノンサポートです。初期状態ではCOM1がIrDAに割り当てられているので、外
付けモデム等を接続する場合はThinkPad機能設定プログラムでシリアルポートを有効に
する必要があります。この場合、IrDAは自動的にDisableになります。
○パワーマネジメントとBIOS
バッテリはNiMHです。ACアダプタは初期モデルと後期モデルでは型番が違いますが、
アフターパーツとして入手する場合はThinkPad 535/560と共通の35W ACアダプター・
スリム(2ピン。後期型と同じもの)のほうが入手しやすいでしょう。
筆者の会社の初期型ThinkPad 365Xの中には、/*本体添付のACアダプタを*/使って
いるとツーとかピィーという甲高い音がするものがありました。この症状は、ACアダプタの
コネクタを外してバッテリだけで動かすと音が止まる、バッテリが充電中だとAC駆動でも
音がしない、フル充電になると音がする、というものです。電源回路のインバータの音
ではないかという説もありますが、正確なところは不明です。実用上は問題ないとはいえ、
気になります。また、いったんハイバネーションに入ってしまうと復帰しないケースもあり
ました。これは後述のBIOSのアップグレードで直りました。
ほかにも、ThinkPad機能設定の「パワーモード」の項で、ACアダプタ接続のCPUの速度
が最高速に設定できないという障害もありました。これは、パワーモードが「ACオート」で
しか保存できず、そのためCPUの速度が低速になってしまうというものでした。同様の
障害はThinkPad 560でも起きていました。このトラブルが筆者の会社で購入したすべて
のマシンで起きているわけではないので、どこが原因なのかははっきりしていません。
しかし、後述するThinkPad機能設定のアップグレード版を導入することで直りました。
パソコン通信等でBIOSとThinkPad機能設定プログラムのアップグレード版が配布されて
います。NIFTY SERVEではFIBMFEEL<未来電子環境研究所>DL7:日本IBM製品情報
ライブラリの
#498 HRU104.EXE TP WIN3.1/95ユーティリティ3.57 1/4
#394 I5JT03.LZH TP365X/XD システムROM V1.05 です。
○365XDの内蔵CD-ROMドライブと外付けディスケット・ドライブ
ThinkPad 365XDは、筐体に固定式の4倍速(1J9は6倍速)CD-ROMドライブを内蔵してい
ます。その代わりにディスケット・ドライブは外付けになります。ThinkPad 760シリーズなど
の上位機種で採用されたCD-ROMドライブとディスケット・ドライブを交換できるウルトラベイ
は採用されてませんが、コストが重視される普及機では固定式のCD-ROMドライブでも
しかたがないのかもしれません。
パソコン通信等でDOS/Windows 3.1用のCD-ROMドライバが配布されています。NIFTY
SERVEではFIBMFEEL<未来電子環境研究所>DL7:日本IBM製品情報ライブラリの
#439 HXC102.EXE TP CD-ROM(DOS/Win3.1) V2.03 です。
外付けディスケット・ドライブのコネクタはThinkPad 365EDと共通です。
○OSR2のThinkPad 365X(2625-BJ9)
ThinkPad 365X(2625-BJ9)は、Pentium 150MHzと11.3インチTFT液晶ディスプレイを
持つ最高級モデルです。プリインストールされているWindows95は他のThinkPad
365X/XDと
は違うOSR2で、そのCD-ROMが添付されています。プリインストールのアプリケーション用
CD-ROMも付属しています。なお、OSR2ではありますが、FAT32は採用されていません。
○サウンド機能
ESS ES1688というSond Blaster PRO互換の音源を搭載しています。デフォルトの設定
ではPCMCIAトークンリング(TokenRing)カードとI/Oアドレスがぶつかりますので、DOSプ
ロンプトで「C:\THINKPAD\PS2 AU ADD 240」としてI/Oアドレスを変更して再起動するか
、ThinkPad機能設定で変更してください。
パソコン通信等でESSオーディオドライバが配布されています。NIFTY SERVEではFIBMFEEL
<未来電子環境研究所>DL7:日本IBM製品情報ライブラリの
#430 HXA302 .EXE TP ESS オーディオ (Win95) V1.00 です。
○プリインストールソフトウェア
プリインストールソフトとして、Puma TranXit/2、Hyper Dictionary(ThinkPad
365X 2625-BJ9
ではグランド辞スパ)、乗換案内(ThinkPad 365X 2625-BJ9では同 時刻表対応
版)、シングる、NiftyManager等があり、ロータススーパーオフィス95のCD-ROMも添付されます。
ちなみに、バックアップ作成用ソフトのディスケット・ファクトリーを使用中にディスクに書き込めない
ケースがあります。これについては、パソコン通信等で配布されているディスケット・ファクトリー
更新プログラムで対応可能です。NIFTY SERVEではFIBMFEEL
<未来電子環境研究所>DL7:日本IBM製品情報ライブラリの
#209 FUPDATE .LZH TP Win95model DsktFactry です。
○PCハードウェア国際保証(1年)対象商品(ただし、2625-BJ9を除く)
ThinkPad 365X 2625-BJ9は国内専用モデルなので、ハードウェア国際保証は適用されません。
ほかは1年保証です。
コラム ThinkPad 365X/XDモデル早見表
*この項はページの関係で没になっています
ThinkPad 365X/XDは息の長いモデルでした。この間、CPUも違えば液晶ディスプレイも
10.4'、11.3'各々にTFT、DSTN液晶が搭載されました。初期にはWindows95モデルに
加えてOS/2 Warpモデルも有り、365Xで7モデル、365XDで8モデル存在しました。
必要とされる方は少ないかもしれませんが、365X/XDのCPUと液晶ディスプレイで
分類したモデル早見表を掲載しておきます。
*IE6.0で見た場合
+------------------------+---------------------------+
| ThinkPad 365X(2625-) |
ThinkPad 365XD(2625-) |
|--+------------+--------+---------------+-----------+
|液| 10.4' | 11.3'
| 10.4' | 11.3' |
+--------+-------------+--+----+------+---+----+-------+-------+---+-------+
|発売時期 | CPU |晶| TFT| DSTN | TFT|DSTN| TFT
| DSTN |TFT| DSTN |
+--------+-------------+-+-----+-------+---+----+-------+-------+---+-------+
|1996/04 | Pentium 100 |7J6/7J7 |6J6/6J7 | | | |6J2/6J3|
| |
| | Pentium 120 | | | | |DJE/DJF| | | |
+--------+-------------+-------+------+---+----+-------+-------+---+-------+
|1996/07 | Pentium 120 | | | | | | | |EJE/EJF|
+--------+-------------+-------+-------+---+----+-------+-------+---+-------+
|1996/10 | Pentium 120 | 3J9 | | | |4J9 | | | |
| | Pentium 133 | | | |2J9 |
| |1J9 | |
+--------+-------------+-------+-------+---+----+-------+------+---+--------+
|1997/04 | Pentium 150 | | |BJ9| |
| | | |
+--------+-------------+---------------+---+----+---------------+-----------+
*IE5.5で見た場合
+------------------------+---------------------------+
| ThinkPad 365X(2625-) |
ThinkPad 365XD(2625-) |
|--+------------+--------+---------------+-----------+
|液| 10.4' | 11.3'
| 10.4' | 11.3' |
+--------+---------------+--+----+-------+---+----+-------+-------+---+-------+
|発売時期 | CPU |晶 |TFT | DSTN | TFT|DSTN| TFT | DSTN
|TFT| DSTN |
+--------+-------------+-+-----+--------+---+----+-------+-------+---+-------+
|1996/04 | Pentium 100 |7J6/7J7 |6J6/6J7| | | |6J2/6J3
| | |
| | Pentium 120 | | | | |DJE/DJF|
| | |
+--------+-------------+-------+-------+---+----+-------+-------+---+-------+
|1996/07 | Pentium 120 | | | | | |
| |EJE/EJF|
+--------+-------------+-------+-------+---+----+-------+-------+---+-------+
|1996/10 | Pentium 120 | 3J9 | | | |4J9 | | | |
| | Pentium 133 | | | |2J9 | |
|1J9 | |
+--------+-------------+-------+-------+---+----+-------+-------+---+-------+
|1997/04 | Pentium 150 | | |BJ9| |
| | | |
+--------+-------------+---------------+---+----+---------------+-----------+