TP370C
2000/03/19更新 (暫定版)

ここでの項目
仕様
概略
All about ThinkPadの準備原稿

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仕様
370C 9545-QFC DX4-75  4- 36(52) 0.34 - 10.4"TFT SVGA 2.9 W31
       -QFD DX4-75  4- 36(52) 0.54 - 10.4"TFT SVGA 2.9 W31
       -QFJ DX4-75 12- 36(52) 0.54 - 10.4"TFT SVGA 2.9 OS/2 V3

370C  9545-QFC  CPU DX4-75   L2 0
    RAM 4-36MB(Max 52MB) 空1(DIMM2) IC DRAM CARD/5V 72pinDIMM
    VIDEO 10.4"TFT  WD90C24 256色表示 VRAM 1MB
    HDD 340MB パック式  CD-ROM 無 TrackPoint2
    PC Card 16bit(TypeIIIx1/IIx2)
    音源 PCM  USB 無  IrDA 無  Modem 無
    W297xD210xH51 A4 2.9kg 35W 100-240V NiMH 2.9-8h
    価格 478K 発売時期 1995/05 IWS対象 OS PC DOS 6.3/V&IBM版W31

    9545-QFD  9545-QFCと同時発売(95/05)のHDD 340MBモデル
    価格 528K HDD以外の仕様は同一

370C  9545-QFJ  CPU DX4-75   L2 0
    RAM 12-36MB(Max 52MB) 空1(DIMM2) 5V 72pinDIMM
    VIDEO 10.4"TFT  WD90C24 256色表示 VRAM 1MB
    HDD 540MB パック式  CD-ROM 無 TrackPoint2
    PC Card 16bit(TypeIIIx1/IIx2)
    音源 PCM  USB 無  IrDA 無  Modem 無
    W297xD210xH51 A4 2.9kg 35W 100-240V NiMH 2.9-8h
    価格 628K 発売時期 1995/05 IWS対象 OS OS/2 WarpV3

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概略
TP360シリーズの後継です。低反射型ディスプレイに加え、メモリー増設に
DIMMアダプターによる72pin 5V DIMMのよる増設もサポートされました。
メモリーはIC DRAM CARDで最大36MB、DIMMアダプターではTP530CS用改造
32MBを使えば4+32+16の52MBまでの拡張が可能です。QFJはDIMMアダプター
標準搭載です。TP360CEの後継というより、どちらかというとスペック的には
少し前のハイエンドのTP755Cと同等でした。

256色表示のためにはVESA.EXEが必要です。中古での問題を含めてTP360Cの
項を参照してください。ディスプレイはラック・マトリックスを採用した低反射型液晶
ディスプレイでした。DSTN液晶のモデルは設定されていません。
詳しくは TPビデオドライバ(旧機種) を参照してください。

サウンドのドライバの導入にはコツが必要です。
詳しくはTP AUDIOドライバ(PCM音源) を参照してください。
http://203.174.72.112/monkung/tp370c/tp370c2.htm
 TP370CのWindowsで256色表示、音も出したい
  なお、PCMCIAスロットからの電源だけで駆動するCD-ROMドライブが
  駆動できないのはTP360系と同様のようです。

普及機ではTP75x/360共通のオプションが使える最後のモデルになります。
BIOSはTP360/75xとではなくTP340CSE,345C/CSと共通です。
TP370Cは米国では販売されていない(non-USA)モデルです。


保守の問題
メモリはIC DRAM CARDか、DIMMアダプターが装着されているか、入手済みなら
5V 72pin DIMMというパーツで増設します。入手はジャンクになるかもしれません。

HDDは8GBまでなら普通に起動しますが、それ以外ではテクニックが必要です。
これ一台しかない場合は8GB超に対応できない可能性が高いです。
HDD交換については
HDD換装レポート
http://isweb41.infoseek.co.jp/computer/kuextu/300/360_h.htm
 TP360/75xのHDD換装
DM2000の使い方


他には
 http://isweb41.infoseek.co.jp/computer/kuextu/300/360_h.htm
  No.25 2000/11/06 TP360/75xのHDD換装 (TP370Cを含む)
 http://www.futaba.ne.jp/~serika/index.html
  ux's web
   http://www.futaba.ne.jp/~serika/contents/computer/at/thinkpad755cx/thinkpad755cx.html
    IBM ThinkPad755CX
http://www.cheri.sh/~tomoo/DENNO/Think/tp370c_02.html
 HDD 換装〜Linux インストール
    を参照してください。


ACアダプターは台形4PINのものなので、保守パーツの入手には注意が必要です。
既に現行モデルでは採用されていない形式です。760系のものが入手し易いかも
しれません。

<参考>
 http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2871/mente/ac.htm
  ThinkPad資料館 TP ACアダプター照合表
 http://www.aichi.to/~thinkpad/acad.html
  ThinkPad Love ACアダプター


○オンラインの資料
IBMのサイトにユーザーズガイドと保守マニュアルが収録されています。
http://www.ibm.co.jp/pc/home/manual/thinkpad.html
 PC関連マニュアル−ThinkPad関連
http://www-6.ibm.com/jp/pc/home/manual/0012/a8856200.pdf
 ThinkPad 370C 保守マニュアル
http://www-6.ibm.com/jp/pc/home/manual/0012/a8855910.pdf
 ThinkPad 370C ユーザーズガイド

http://www.cheri.sh/~tomoo/DENNO/Think/tp370c_01.html
 Think the world of ThinkPad370C
  というページがあります。


Web製品カタログ
http://www.ibm.co.jp/pc/thinkpad/old_tp/0518a.html      95/11
http://www.aichi.to/~thinkpad/catalog/tp370c/

ThinkPad Love
http://www.aichi.to/~thinkpad/tp370/index.html

私のThinkPadずかん
http://www.mars.dti.ne.jp/~ayase/tp/tp370c.htm
http://www.mars.dti.ne.jp/~ayase/tp/tp370c_qfj.htm


中古で買う場合
中古で買う場合、メモリが特殊なパーツであること、HDDに8GGの壁が
あること、ACアダプターがマイナー仕様であることなど、留意する点は
多いです。画面もTFTですがVGAです。仕様をよく理解された方以外は
手を出さない方が無難かもしれません。特にHDD換装時のジャンパピン
の設定には注意してください。

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All about ThinkPad 1991-1998に書いた準備原稿の抜粋

既に入手難のAll about ThinkPadですが、私の担当した個所に
ついて引用します。HDDの中の準備稿からですので、実際に
掲載された内容とは違う場合もあります。また、内容も当時の
ままですので、リンク先や内容が現時点とは違っている可能性
があります。悪しからず。 (2002/01/01)


SUB:370リライト原稿
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ThinkPad 370C
(9545-QFC/QFD/QFJ)

1995年5月に発売されたThinkPad 370C(以下、370Cと記す)は、ThinkPad 360ファミリーの基
本デザインを踏襲しながらCPUをDX4にしたものという見方もできますが、スペック的にはFDD
が3モードになったThinkPad 755C 9545-L(DX4 75MHz、FDD 4モード)モデルそのものでした。
370Cは低反射型10.4インチTFT液晶とPCM音源を搭載しており、ディスク・パック等のオプシ
ョン製品はThinkPad 360ファミリーや755ファミリーと同じものを使用することができました。
ただし、ThinkPad 755ファミリーやThinkPad 760シリーズではPentium搭載モデルが登場し
ましたが、ThinkPad 300シリーズには長い間、Pentium搭載機の投入はありませんでした。19
96年4月までの間、ローエンドのThinkPad 345C/CSとともに、CPUのラインアップはDX4 75MH
zだけという、他社に比較すると手薄な状態が続きました。

Table ThinKPad 370Cの基本スペック   *略

○低反射型液晶ディスプレイとDSTN液晶モデル
液晶パネルへの外光の映り込みを減少させ視認性を高めるブラック・マトリックスを採用した
低反射型液晶ディスプレイを搭載しています。パンフレットにも「明るい場所でも使用できます」と
書いてあるのですが、筆者のオフィスでは蛍光灯の映り込みを防ぐルーパーという機器が照明に
使われているので、はっきりとその効果は判りませんでした。ただ従来DSTN液晶のビジネス向け
モデルばかり買い込んできた筆者には、ThinkPad370Cのディスプレイは奇麗、くっきり、しっとりと
映ったのは言うまでもありません。

370CではTFTモデルだけしか用意されず、DSTN液晶モデルが用意されなかったため、もうIBMは
TFT液晶モデルしか出さないのでは、という意見もありました。価格重視の筆者はこの時今後
どうしようか真剣に悩みました。しかし、結果的にはこのあと1995年8月に出るローエンドモデルの
ThinKPad 345CSや、1996年4月のプランニューモデルのThinkPad 365ファミリーにもDSTN液晶
モデルが用意されることになりました。


○256色表示
ローカルバス接続のビデオチップWD90C24で256色を出すためには、ビデオサポートディスケット内の
VESA.EXEをCONFIG.SYSに登録する必要がありました。工場出荷時ではそういう風になっていますが、
ユーザー側でHDDを換装してWindows3.1やWindows95をインストールするような場合は忘れないよう
にしてください。


○メモリ増設
370Cでは、IC DRAMカードによるメモリ増設だけでなく、メモリー・モジュール・アダ
プターによる増設が選択できるようになりました。メモリー・モジュール・アダプターによる増設は、
ディスケットドライブの下にあるIC DRAMカード装着用のプラスティック板(ベースプレート)を
抜き取り、代わりに5V、72ピンのDIMM(IBMの用語ではDIMMカード)を装着したメモリー・
モジュール・アダプターを装着するというものでした。サードパーティのThinkPad 530CS用DIMMの
動作実績はあります。増設は1枚単位で容量の違うものも装着できます。

IC DRAMカードによるメモリー増設の場合は、IBMによる保証があるのは16MB DRAMカードですが
サードパーティの32MBのDRAMカードの動作実績があるという点はThinkPad 360ファミリーと共通です。

なお、370CのQFJモデルの場合は、標準でメモリー・モジュール・アダプターを装着しているので、
IC DRAMカードによる増設はできません。

370Cは、IC DRAMカードの過去の資産を生かしつつ、徐々にDIMMへの切替を誘導するブ
リッジマシンだったのかもしれません。もしそうだとすれば、短期間にDIMMの規格が5V、72
ピンのDIMMからPentiumに有利な64ビットメモリアクセス対応の3.3V、144ピンのDIMMに
変わったのは誤算だったのかもしれません。


○バッテリ
370Cのバッテリには上位機種のThinkPad 755Cに搭載されたものと同じNiMHバッテリ
(ID#66G3701)が用意されていました。このインテリジェント・タイプのバッテリは、マイク
ロプロセッサを内蔵しており、バッテリの状態をThinkPad本体に伝える機能を持っていました。
OFF/ONのスイッチがバッテリに付いており、購入時にバッテリをセットする際は最初に
スイッチをONにする必要がありました。筆者はいつものくせでユーザーズガイドを読まずに
バッテリをセットし、なんでバッテリ駆動しないのか、と1か月程悩んだ事があります。

また370CのThinkPadユーティリティには「放電ボタン」というものがあり、これを押すことで
バッテリをリフレッシュすることもできました。370Cのバッテリが上位機種と同じ(ID#66G3701)
というのは、370Cの型番が上位機種と同じ「9545」だったことも関係しているかもしれません。
ちなみに、ACアダプタは100-240V対応のものでした。


○PCカードスロット
370CのPCカードスロットはType III×1またはI/II×2でした。キーボードにはTrackPoint IIが
装備されており、英語キーボードモデルも用意されていました。


○セレクタシステム
OS/2 WarpとDOS/Windows 3.1が切り替えながら使用できるセレクタシステム搭載モデル
(9545-QFJ)が用意されていました。セレクタシステムはOS/2 Warpが動作するメモリを
持ったマシンにしか設定されてません(例えば9545-QFJは12MBです)から、標準搭載の
メモリが4MBの9545-QFC/QFDでは従来通りPC DOS J6.3/VとMS Windows J3.1のモデルでした。


○CPU換装
DX4から486系CPUの究極Am5x86-P75への換装はコストパフォーマンス的にはよくありません。
ベンチマーク等詳しい内容は○ページの同じCPUを持つThinkPad 345C/CSの項で紹介しています。


○Windows95の利用
ThinkPad 370CにはPCM音源が搭載されています。このPCM音源は、OSをDOSないしWindows J3.1
の環境からWindows95へアップグレードすれば、Windows95上でも使用することができます。DOS/
Windows J3.1を入れずにいきなりWindows95をインストールしたような場合は、DOS用のサウンド用
デバイスドライバを組み込んだ状態でインストール・プログラムを走らせる必要があります。
370CでWindows95を使うためのBIOSやオーディオデバイスドライバがパソコン通信など
で配布されています。NIFTY SERVEであれば、<未来電子環境研究所> FIBMFEELという
フォーラムのDL7:日本IBM製品情報ライブラリに
#170 HPJT05 .LZH TP340CSE/345/370 BIOS V1.40
#169 HBAF55 .LZH TP360/370/750/755 オーディオ1.40
が登録されています。

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