2000/11/21作成
TP700シリーズの一員として高級モデルとして登場したTP701Cが
Windows95の登場と同時に半値以下に値下げされて秋葉原のT-
ZONEに並び一大ブームを引き起こした事を今も覚えています。Parm
TopPC110と同様、売れても売れてもどこからか湧いて出る在庫に
呆れたものでした。
今となってはDX4-75MHzというスペックは非力ですが何ともいえない
強い個性を持ったモデルでもありました。米IBM由来のThinkPadの持
つ荒削りさ、じゃじゃ馬度は並の人間には手に負いかねる面があり、
私は入手を避けていました。
モデムやFDDのドライバ等に特別なノウハウが必要で、それらはイン
ターネットに今も残る蝶々(バタフライキーボードからNIFTYでの愛称が
蝶々となったようです)関係のWEBサイトで今でも知ることができます。
特徴的なバタフライキーボードは別途記事を作成しましたので、動きな
どはそちらで確認してください。20世紀を代表するデザインとしてNYか
どっかの現代美術関係の美術館に展示されている、という話を聞いたこ
ともあります。
なお、今回のマシンは友人からの借り物なので、印をつけたり、
解体するといった手荒な取り扱いは避けています。
TP701C/CSの詳細は ここ
全景です。本体のサイズより幅が大きいキーボードが最大のポイントです。
B5ノートしては、TP530CSといったサブノート系よりは一回り大きく、
TP240とあまり変わりません。
左側面です。真中がFDDコネクタのカバーです。
同じアングルでディスプレイを上げたところです。キーボードが
せり出してきています。
FDDコネクタです。カバーはゴム状のもので本体にくっついています。
背部です。拡張ユニットI/F用のカバーを少しスライドさせて撮っています。
拡張ユニットの接続用I/Fのようです。スライド式のカバーに
なっています。
右側面です。なお、このマシンのPC CARDスロットのカバーは散逸しています。
ディスプレイをあけるとキーボードが広がっていくという場面です。
キーボードの図です。
ディスプレイの左下部のヒンジは独特の形をしています。
底部です。左側にディスクパックやバッテリーのベイがあります。
右側のリリースレバーを操作することでバッテリーが取り外せます。
キーボードの裏に丸い穴があるのがわかります。軽量化の
ためなのでしょうか。ちょっと不鮮明ですが。
不鮮明ですが、ネジの溝が切ってない事が判れば、ということで
載せています。トルクスというタイプのものですが、TP701では当時
市販されていない特殊なサイズのものだったと聞いています。特に
ケース周りのようなトルクスレンチのT1という規格のものはIBMのメ
ンテナンス用工具の取り扱いも終了している今となっては、削り出し
で工具を作ったというような話すら聞いた事があります。したがって
TP701の分解は難易度が高いと言わざるを得ません。
底部のレバーを操作するとバッテリーがパチンと飛び出します。ディスク
パックを取り出すには先にバッテリーを外す必要があります。手前がバッ
テリー、奥がディスクパックです。
左がディスクパック収納ベイ、右がバッテリー収納ベイです。
ディスクパックです。外ネジには
対応していないようです。今回は借り物なので分解はしていません。
ディスクパックはこの機種専用のものです。
バッテリーです。横幅一杯の長さがあります。本来5TJはスーパー
NiCdバッテリーのはずなのですが、今回のマシンでは7TW用のNiMH
バッテリーが装着されていました。
DIMMスロットです。底部にあります。カバーが壊れ易いという話が
My favorite,ThinkPadの方にありましたので注意してください。
左が取り外したカバーです。爪の部分が曲がったり折れたりしやす
いようです。
このマシンと一緒に預かったFDDは2モードと聞いています。
標準装備のものと同じかどうかは確認していません。
IBM P/N 10H3980 FRU P/N 10H4056。コネクタの形状は
他のサブノートと違います。TP76x系のものより幅広です。
FDDに関してはThinkPad Loveを参照してください。
ACアダプターです。専用のものです。
TP600Eのウルトラスリム56W ACアダプターで起動させています。
他の35W/72Wといった丸型2ピンのものでも代用できるようです。
(保証するものではありません)
(V-Text)
(Normal)
PC98からDOS/Vへの流れを加速した一因ともなったV-TEXTと
いうテキストモードの表示行を増やすソフトウェアを実行している
ところです。デバイスドライバで特殊なドライバを組み込み、アプリ
ケーションが対応していれば上記のような拡大表示が可能です。
下側のノーマルな画面に比べて、行間が詰まって画面の表示行
が増えているのが判るでしょうか。
WebBoyの画面です。
B5ノート同士の比較です。左がTP240、右がTP701Cです。
こちらは何故かひっくり返っていますね。左がTP701C、右がTP240です。
上からTP530CS、TP701C、TP240です。B5ノートでもこれぐらい
大きさが違います。TP701Cの正面にある4つの丸いものはトルク
ス用のネジです。
TP530CS,701C,240を正面から見たところです。
TP701Cの厚さは結構なものになっています。
同じく左側面です。ディスプレイが厚さをとっているようです。
TP701Cではディスプレイが額縁にあたる部分が上側が狭い
ものと、下側が薄いものとがあり、上付き、下付きとか呼ばれ
ていたようです。今回のモデルは最初に発表された5TJですが
後で追加された7TWでは変更されていたように聞いています。
中古として買う場合
メカニカルな美はありますが、実用となると、他の機種の物が流用
できるACアダプターはともかくとして、FDDやディスクパック、72pin
3.3V DIMMといった他の専用といっても良いオプションが入手できる
かどうかが微妙です。メモリはサードパーティで32MBのものもありま
したし、16MBであれば、TP230Cs用のものが流用できるかもしれま
せん。TP701のDIMMに関してはセルフリフレッシュタイムの件が話
題になったこともあり、3.3Vの72pin DIMMであれば確実に使えるか
どうかも判りません。この記事のユーザーがやっているように、DOS/
WIN31やWebBoy(PC DOS(コンベンショナルメモリ対策で英語モード
で起動)で使うのならともかく、Windows95では色々なノウハウが必要
ということもあり、初心者には扱いにくいモデルだと思います。