プリンターと私 番外編

不定期コラム Vol.30
2000/05/18

MJ-700V2Cから
私の会社のプリンターのカラー化は5年前のEPSON MJ-700V2
Cの設置に始まります。当時は単にEXCELのグラフを色を区別
して出力すると見易いということで、設置したものです。

最初はハードコピー
時代をさかのぼれば、まだ80386のPS/55というIBMのデスクトップ
PCがあった1990年頃、JDOSの今でいうXGA解像度の画面をハード
コピーする神鋼電機のCHC何とかという昇華型カラープリンターを
導入していたことがあります。これはホストPCに繋いでホストエミ
ュレーションソフト上で描画したグラフをハードコピーするというもの
でした。当時でも相当高価な機器だったと思います。

サポート最低の某N
機器のメンテナンスにあたったのは日商エレクトロニクスでしたが、
ここのサポートは最悪でした。このシステムは3年程度使われた後、
人事異動でメンテナンスする人間がいなくなり、そのうち使わなく
なりました。ビデオ信号のケーブルに割り込んで信号を取りこむ
装置だったのですが、ケーブル由来の故障が多く、パーツの手配
にからんでサポートがてんで話しにならなかったので、最終的に
お蔵入りになりました。

サポートしっかりHPプロッター
その後、HPの7450Aだったか、プロッターでグラフを印刷するシス
テムとかも一時入っていましたが、これもいつのまにか使われな
くなりました。ただ、HPのサポートの良さは印象に残っています。


色がおかしいBJC-600
前述のMJ700V2Cは専らグラフ専門でしたが、顧客にセールスを
する部門でプレゼンテーションを用意する必要から、当時出た
ばっかりのCANON BJC-600を数台導入しました。ところがBJ600
Cの色が画面の色とかなり違うので、印刷しながら調整、という
対策を強いられる事になりました。これは、まだネットワーク
化が始まる前の段階ですから1995年頃だったでしょうか。大量
の全面カラーのパワーポイントとかで作成した資料をせっせと
印刷していくBJC600はけなげでしたが、できた紙は当然ながら
へちゃへちゃで、スループット(出来数量)も全然低レベルでした。


高速カラーLBP CASIO N4
ちょうど今から4年ぐらい前、多分1996年頃にCASIOからN4という
A3 Color LBPが登場しました。最初の一台はモニターという事で
定価の半額の38万弱で購入しました。解像度が300dpiと低く、
色的にも綺麗というものではなく、色が付いている、という程度
のマシン、メーカーでもビジネスカラーと呼んでいましたが、印
刷速度は圧倒的でした。好評だったので、続けざまに2台も追加
購入しました。残りはほぼ定価でした。難点は色の質が落ちる
こと、底面積が大きく見えるといったところでしょう。、ただ、CASIO
のメンテナンス部隊はしっかりしていて保守契約をかけておけば、
コールの翌日か、それほど日を空けずに来たので、そういう点
で当時のEPSONよりマシでした。


品質ならPM-750C
その後、リテール(コンシューマー向け)を扱う部門が会社に出来
販促資料を山ほど印刷するニーズが生まれます。そうなってくる
と、N4で作った資料は他社のものに見劣りするようになります。
品質にこだわる部署はEPSON PM-750Cを要求し、再びインクジ
ェットに戻りました。また、ランニングコストが高いカラーコピーも
スタンドアローンで導入され、PM-750Cで作成した原稿をカラー
コピーで複製していたようです。この状況は一年半ぐらい続きまし
た。


カシオの逆襲 N4-612
CASIO N4はその後、解像度を改善したN4-612となり、かなり画質
も良くなりました。何よりあの圧倒的な速度はそのままでしたの
で、新製品が出てすぐにN4をN4-612に切り替えました。しかし、
画質優先の部署には相変わらず気に入ってもらえず、その部署の
脱インクジェットはRICOHからIPSiO2000が出る1999年まで続きます。


速度より品質ならIPSiO
IPSiO2000は使ってみた感じでは画質、速度とも、PM-750CとN4-
612の中間に位置しました。これで、ようやくPM-750Cを大量印刷
に使う、という用途から開放できました。問題は消耗品の種類の多
さです。トナー、ドラムといった一般的なもの以外に、排トナーボトル、
シリコンオイル塗布のためのメンテナンスキット、クリーニング用ロ
ーラー、となまじ印刷枚数が多かったばかりに、次々と新手の消耗
品が登場し、調達に追われました。この点、販売代理店の商品知
識の低さも追い討ちを受けた理由です。こちらは消耗品は全部一式
送ってくれ、と頼んでいたのですから。


全社カラー化対応準備
小部数しかカラー原稿を印刷しない部署はPM-750C、その後継機
のPM-670C、B4を使う部署にはPM-2000Cを設置しました。これら
は消耗品が共通になっていて、どこかの部署が切れても社内で補
えるようになっています。

最近のEPSONの新型(PM-760C等)は画質も速度も改善されています
が、消耗品が違っているので、入れ替えは躊躇しているところで
す。特に急いで代える必要もありませんし。高速、大量印刷をす
る部署はLBPを設置しましたので。


リコーの改良 IPSiO2100
これらの話は大体昨年の事だと思います。
その後、IPSIO2100というCPUが速くなった新型が出たので、見栄
えと速度も多少、というう部署に2台設置しました。


ワークホース、CASIO N4-612
CASIO N4-612は無茶苦茶な使われ方をしました。月に9000枚なん
てのが続いたので、半年足らずでオーバーホールの目安の6万枚
を超え、故障は続発するは、で伝送系のオーバーホールを行いま
した。他社のカラープリンターではとっくの昔にいちころだったので
はないでしょうか。


カラーコピーRICOH 4055の導入
これでは機械がもたない、と色々検討し、保守サービスがしっかり
しているカラーCOPY機なら耐久性は大丈夫だと判断し、N4-612の
5倍近い価格でリコーの高級カラーコピーimagio Color 4055を導入
しました。これはネットワークボードを内蔵しており、ネットワー
クプリンター兼カラーコピーとして導入しました。ところが、暖気
運転に8分かかる、とか、速度がN4-612より遅いということで、こち
らが期待したようには使ってくれません。結局のところ、N4-612の
完全代替としては機能せず、N4-612が多品種少量印刷、4055が同
一種類大量印刷と言う具合に住み分けているようです。

結局、カシオN4-612はオーバーホールしたマシンを他に回して余生を
送らせ、もう一台新品を用意しました。N4-612がimagio Color4055導入
後もそれなりに稼働率が高いので、今年度になってカシオが割安価格
でN4のN4-612への更新キャンペーンをかけてきたのを利用して、N4-
612をさらに一台追加し、負荷を分散することで対応しました。


問題児 LBP-2260
品質重視の部署でもIPSiO2000での印刷が増えてきたため、2台目と
して、キヤノンのLBP-2260を入れました。一応信頼していた営業の
勧めだったので、特にデモもせずに入れたのが、、とんだトラブル
の始まりでした。

セットアップが終わった翌日、利用部署から色が変だ、との連絡が
あり、緑色がピンクといった色ずれが起きていました。アプリケーショ
ンはPowerPoint97です。てっきりトナーのセットミスだと思い、サポー
トの手配を頼んでみたところ、セットアップは正常で、この色ずれは
印字結果を見て手動で設定を変えないといけないと言うではないです
か。カラープリンターはそれまでカシオ、リコーといれてきましたが、
こんな事は始めてでした。結局、文章で回答しろ、と申し入れして、
その場は引き取りましたが怒りは収まらず、即刻LBP-2260を撤収し
ました。

失敗したLBP-2260の代わりにRICOH IPSiO5100Dを発注しました。
IPSiO5100Dは多少IPSiO2000と色の違いはありましたが、エンジン
はA4機より強力なのでIPSiO2000より高速です。で、問題の色ずれも
ありません。

後日キヤノン系販社から文章で来た回答には、速度優先でデフォルトが
LIPS IVの場合に色ずれが起きたら、イメージモードで印刷してくれ、と
ありました。それでは出力されるまではまともに出るかどうか判らない訳で
印刷してから失敗なら設定変更を、というのは、当座しのぎとしか思えません。
他社で問題にならない程度でできていることができないのだから、こちらの
感覚としては失格としか言いようがありません。遅いのを覚悟でイメージ
モードで全クライアントを設定するか、ですね。クライアント側で設定の変更を
やってもらったっていいじゃない、と言われそうですが、それは考え方の違い
ですね。基本的に何もしないで印字できるのを要求している訳で、他に選択
肢があれば、そっちを優先します。ユーザーが手動で対応というのは、例え
ばNTサーバーをメモリーリークによるハングアップから守るために時々リ
ブートするような事は私もしていますが、エンドユーザーにはさせないつもり
なので。まぁ理解できるユーザーが揃っている部署ならいいのかもしれませ
ん。私の会社の場合、ユーザーのスキルはマチマチです。

撤去したLBP-2260をどうするかはまだ決めかねています。使うとなれば
保守契約の費用もかなりかかりますし。高価な置き台として使うかもしれ
ません。なんといったって、一台しかないし、他のマシンと消耗品も違う
ので、動いていると面倒といった状態です。ほんと、とんだ買い物でした。
他のユーザーでは問題なく動いているのでしょうか。不思議です。


CANON PIXELはどうかな?
今週になって、キヤノン系の販売店の新人の飛び込みがあったので、
カラー複写機のPIXEL Colorのエントリーのデモ機(CP680)を借りました。
これもプリンターの出力ができるようになっているので、色ずれがおきる
かどうかテストしてみる予定です。それ次第ではキヤノンはカラーは駄目
との烙印を押さざるを得ないかもしれません。


保守体制としては、キヤノン、リコーが第一、カシオが第二、少し離れて
エプソンとして、キヤノンのサービス体制を高く評価していただけに非常
に残念です。エプソンは昔より改善されたようですが、どんなもんでしょう。

今回の教訓は
高いカラープリンターを買う時は必ずテストを!
それも、実際に印刷するデータで! 
ですね。

別にCANONの営業妨害をする気はありません。買う前に皆さん
テストしましょう、という事を警告しておきたいだけです。
あしからず>キヤノン。他社が出来ている以上、他社並の事が
できなきゃ私はだめだと思います。いちいち操作でカバーするの
を超えるウリを見出していないだけに。イメージモードで百パーセ
ントきちんと出るにしても、それではインクジェットに対して高速に
大量印刷可能、というメリットを損なう方向になります。むろん微々
たるものなのかもしれませんが。ただ、筋として納得できません。

なんせ私の会社は今やカラーLBPの見本市と化しています。
あえてキヤノンを使う必要もありません。

残りはEPSONと富士通、ゼロックスあたりです。EPSONは
サポートが心配、富士通はメーカーが嫌い、ゼロックスは昔
J-STAR(GlobalView)システムのメンテで最低のサポートを
受けたので論外。ミノルタはカシオと同じっぽいし、ソニー
テクトロニクスの高級機はDTP用途でないので不用ときてい
ます。さて、今後、どうなるでしょう。何か進展があれば続きを
披露するかもしれません。



関係URL

RICOH IPSiO INDEX
http://www.ricoh.co.jp/IPSiO/product.html

RICOH imagio Color
http://www.ricoh.co.jp/imagiocolor/4000s/index.html

キヤノン販売(株)ホームページ
http://www.canon-sales.co.jp/

CANON LASER SHOT
http://www.canon-sales.co.jp/LBP/index-j.html

PIXEL WORLD Home Page
http://www.canon-sales.co.jp/pixel/index-j.html

I LOVE EPSON
http://www.i-love-epson.co.jp/

CASIO PRINTER LINEUPS
http://www.casio.co.jp/printer/

神鋼電機
http://www.shinko-elec.co.jp/jpn/index_a.htm

日本ヒューレット・パッカード
http://welcome3.hp.com/country/jp/jpn/welcome.htm

日商エレクトロニクス
http://www.nissho-ele.co.jp/


Vol.28 プリンターと私 その2

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