ThinkPad 230Cs


【2002/04/14作成】
ThinkPad 230Csの仕様、概要等をまとめたページです。

  200's TopPage

A5サブノート市場をカラー液晶搭載で普通のユーザー層にまで
広げ、ThinkPadを一躍メジャーにした記念碑的モデル。

Model CPU RAM HDD CD-ROM Display 重量 size OS
230Cs 2432-YB5 486SX-33 4-20 130MB - 7.8"DSTN 1.7 A5 Win3.1
2432-YB7 486SX-33 4-20 260MB - 7.8"DSTN 1.7 A5 Win3.1
2432-FBW 486DX2-50 4-20 540MB - 7.8"DSTN 1.7 A5 WiN3.1
2432-FBZ 486DX2-50 4-20 540MB - 7.8"DSTN 1.7 A5 OS/2 J2.1


Model 2432-YB5 (上段) *国内専用モデル
2432-FBW (下段)
ChipSet
CPU 486SX-33 互換CPU換装可能 (業者推奨)
486DX2-50
RAM 4-20MB 空ソケット 1 72pin 3.3V DIMM 
L2 なし
LCD 7.8"DSTN (262144色中256色表示) 解像度 VGA
VIDEO Video Chip  CL-GD6235 VRAM 512KB
外部 SVGA 256色 Option なし
HDD 130MB 固定式 E-IDE未対応 *BIOS UPDATEでE-IDEに対応(要バッテリー) 12.7mm 要分解,難易度 高
540MB E-IDE対応
CD CD無し 外付FDD *5xx/6xx系流用可
Pointing TrackPoint2 *外付PS/2マウスとの同時使用不可
PC Card 16bit type 2×2/3×1 上下のスロットで挙動が違う(コントローラーが別々)
音源 PCM音源 ICS
拡張性 USB なし IEEE1394 なし IrDA 115Kbps。ASK不可
通信 Modem なし Bluetooth なし
BB 有線LAN なし 無線LAN なし
サイズ W235×D171×H42 A5File 1.7kg
電源 23W 100V 乾電池(単3×8) *非常用 *乾電池で0.5h駆動,AC特殊
Battery NiMH 持続時間  2h
発売 価格 358K 発売   1994/06 OS  DOS/WIN31
458K 1994/11
注記 2432-YB7 2432-YB5と同時発売(94/06)のHDD 260MBモデル
        価格 398K。HDD以外の仕様は同一
2432-FBZ 2432-FBWと同時発売(94/11)のOS/2 J2.1搭載モ
        デル。価格 450K。OS以外の仕様は同一









以下
解説
  TOP  200's TopPage
概要 カラー液晶化によって従来のマニア層だけでなく一般ユーザー
にも爆発的にヒットした名機です。乾電池は緊急用となり少し
大きく重くなってしまいました。
PCM音源搭載も個人向けには効果が
あったかもしれません。
系譜 TP220をユーザーアンケートを元に改良したサブノート2代目。
この後はこの手の一つの完成形となるTP530CSとなります。
「大きく重い」サブノート路線の第一歩です。
CPU 初期型のYモデルが486SX-33、後期のFモデルが486DX2-
50MHzです。どちらが高速化はI/Oが少なくCPUでの計算が
多い場合はDX2-50、I/Oが多いとバスクロックで勝るSX-33
になります。数値演算プロセッサは486SXには内蔵されてい
ませんので、科学技術計算やシミュレーションといった数値
計算ではDX2-50の方が高速です。
Am5x86等に歓送した例もありますがコストを
かけてまで高速化するのが妥当かどうかは
ユーザーの価値観次第です。
L2 なし
Memory 3.3V,72pin,DIMMでTPではTP365E/ED,701C/CS,230Cs
で使われました。純正パーツは各々違いますが品を選ぶ
TP701を除けば使いまわしは自己リスクで可能です。
16MBを増設して最大で20MBまでの増設が可能です。
20MBというのはWIN95を動かす事ができるというレベル
で、基本的にはDOS/WIN31マシンです。

TP701用のKingston社の32MBDIMMは認識されませんでした。
HDD 厚さは12.7mmまでで、2.1GBあたりまでが無難のようです。
4GBについては換装業者によって見解が分かれます。
初期型の2432-YはE-IDEに対応していないので、BIOS
UPDATEが必要です。BIOSのURLは下記の通りです。
11/04/94以降のBIOSがE-IDEに対応しています。
95/01/01付 TP230CS システムROM アップデート・ユーティリティ 1.00
ftp://ftp.ibm.co.jp/pub/pccsvc/thinkpad/hmjt32jp/
登録名 HMJT320.EXE
対応機種 TP230Cs
詳しくはHDD換装レポートを参照してください。

YxxはBIOS UPDATEによりE-IDEに対応します。
作業には充電されたバッテリーが必要です。
Video 7.8"DSTN液晶ディスプレイを搭載する初のカラーサブノート
でした。ビデオチップはCL-GD6235です。VRAM 512KB搭載
により256色表示可能(外部ディスプレイでSVGA256色)
でした。WIN31の場合は機種付属のビデオサポートディス
ケット内のドライバが必要です。WIN95の場合、OS標準の
ドライバで256色可能です。特にドライバはWEBサイトには
ありません。
LCDの右側だけが白くなることがあったようです。熱を発するパーツが液晶パネル右側にあったためのようです。輝度調節で対応するしかないようです。
Audio PCM音源を搭載しています。チップはICS製のようです。
DOS用のドライバに関してはWEBへの登録もなく、実
機も持っていないため詳細は不明です。WIN上限定かも
しれません。WIN95化する場合のドライバは日本IBMの
WEBサイトに登録されています。
(ICS オーデイオ・ドライバ−?)
ftp://ftp.ibm.co.jp/pub/pccsvc/thinkpad/hmu211
ビデオ/オーディオ・フューチャー・ディスケット(Ver.1.21)
登録名 HMU211.LZH
対応機種 TP230Cs
WIN95化の際には音源のドライバを
OSとは別に導入する必要があります。
PC
Card
Type2×2/3×1のPC Cardスロットがあります。コントロー
ラーが上下で別々なので、上下のスロットの挙動が違う事
があります。32bit CardBusには対応していません。
PC Card関係のWEBサイトへの登録はありません。
WIN95では標準のドライバで大丈夫だと思われます。
DOSで他機種のもので大丈夫かどうかは判りません。
当時は別売りのPlay at WillというIBMの市販ユーティ
リティを使うのが安全策でした。
下側でしか認識されないケースがありました。
入力
Device
・TrackPointIIが搭載されています。当時の赤キャップは
ツルツルでしたが、次のTrackPointIIIからザラザラの
イボ付きのものに代わっています。
・外付PS/2マウスとトラックポイントIIは同時には使え
ません。TrackPointIIのコントロールをキーボード・
マウスコントローラに兼ねさせてコストダウンを図って
いるのでは、という話が当時ありました。
・Fn(ファンクション)キーが装備されました。上位機種の
755C以降で取り入れられた機構で、これ以降TPの
標準装備になります。ワンタッチ操作でシステム機能
設定やバッテリーチェックが簡単に行なえるように
するためのもので、携帯型マシン用の工夫です。
・キーピッチは15.6mm、キーストロークが1.8mmと
TP220から改善されました。
TrackPoint2のキャップはスベスベのプラス
チック製で画面との干渉が問題になった
ことがあります。TrackPoint3のものが
多少緩いようですが流用できます。
TrackPoint III用キャップ・セット 
39H1354  \300
Utility 特にIBMのFTPサイトへの登録はないようです。
(参考)
  http://www.ibm.co.jp/pccsvc/thinkpad.html
  PCハードウェア製品の修正及びサポート・プログラム
  ThinkPad用プログラム・リスト
BIOS 初期型の2432-YはE-IDEに対応していないので、
BIOS UPDATEが必要です。
95/01/01付
TP230CS システムROM アップデート・ユーティリティ 1.00
ftp://ftp.ibm.co.jp/pub/pccsvc/thinkpad/hmjt32jp/
登録名 HMJT320.EXE
BIOS UPDATEは危険を伴う作業なので必要な場合だけ作業してください。バッテリーが消耗している場合はできません。作業の失敗は高額の費用がかかるシステムボードの交換に直結しますので、作業上の注意を必ず確認して作業してください。
Special
Model
西暦2000年対応関係の資料で2432-DB5/DB7/DR7/FBK/FBX/FBZ/FDW(DRM)
というモデル名があります。一般に売られたもので
はないようです。
Option TP220の海苔巻きケースに代わって、
ソフトポーチ \2,700が用意されました。
OS 標準搭載はPC DOS 6.3/V/IBM版WIN31です。メモ
リーやHDDの容量を考えると、基本的にはDOS/WIN
31マシンです。後期型のFモデルにはOS/2モデルも
設定されました。
Y Model発売当初、OS/2が動かない
ことに抗議した署名運動がありました。
AC 23W 3pinという機種専用のものです。
ACアダプター(2432-Y)  ID#84G8572
2432-Y(初期) FRU P/N#84G8500
2432-Y/F    FRU P/N#84G8664
どちらのFRU P/N#のものも営業活動終了との
ことで現在ではメーカーからは入手不可能です。
(参考) 私の作成したAC関係の資料
秋葉原の中古屋等で在庫が
あるかもしれません。
Battery NiMHバッテリー(2432-Y)  ID#84G8576  \15,000
乾電池ホルダー(2432-Y)  ID#84G8577(単3 8本,緊急用) \4,000
既にメーカーからの入手は困難です
(参考)
HSS70's web site, home of my favorite, ThinkPad.
230 Private Tips
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/1968/tips230.html
仮死状態のバッテリーを生き返らせるには
サスペンド時しか充電できません。
FDD 外部ディスケットドライブ(2432-Y) ID#84G8571 \30,000
ケーブルと一体で運用するのであれば、他のサブノートや
TP560といったモデルのものでも使えるようです。
実物があるかもしれません
中古 バッテリーが消耗しているとBIOS UPDATEができない
点を考えると初期のYモデルを買うのはリスクがあります。
メモリーは3.3V 72pinDIMMという現在では入手しにくい
タイプです。16MB増設で20MB迄しか増設できません。
この数字はWIN95を動かすには最低限レベルです。
Catalog http://www.ibm.co.jp/pc/thinkpad/old_tp/0278a.html
 IBMのホームページ TP230Cs
(参考)WEB製品カタログ(bato作成)
Manual IBMのマニュアル類の販売を行っているInfoCreateで
SY88-3019-00   ThinkPad 2432S 保守マニュアル
SY88-3056-00   ThinkPad 230Cs(2432-Y) 保守マニュアル
その他ユーザーズガイド等の入手が有償で可能です。
詳しくはhttp://www.infocreate.co.jp/ InfoCreate
Link 画像
http://www.aichi.to/~thinkpad/tp230/index.html
 ThinkPad Love
http://www.nifty.ne.jp/forum/fpcu/pchist/tp230cs.htm
 IBM ThinkPad 230Cs
http://www.mars.dti.ne.jp/~ayase/tp/
 私のThinkPadコレクション
TP230Cs全般、分解等
http://www.interq.or.jp/venus/shukoh/thinkpad/
 Rebuild ThinkPad
http://plaza19.mbn.or.jp/~tanuki_dan_na/2432-YB7/index.htm
 IBM ThinkPad 230Cs-YB7(2432-YB7)
バッテリー関係
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley/1968/tips230.html
 HSS70's web site, home of my favorite, ThinkPad.
 230 Private Tips 仮死状態のバッテリーを生き返らせるには
その他 All about Thinkpad 1991-1998のThinkPad 230Csの
記事は携帯PC HDD換装の部屋を開かれている
ECHO氏が担当されました。
ボディは非ハロゲン系ポリマーアロイ
樹脂で未塗装です。
関連
URL
携帯PC HDD換装の部屋
http://www.hddex.com/index2.htm 
個人的
関わり
PS/PLAZA若松の店頭で何度も眺めたものですが、結局
買うことも触ることもありませんでした。ということで、マシン
の実像は把握できていません。
会社でもモバイル用途が無いため縁遠い
モデルでした。486マシンはTP34x/360
シリーズを手当てしました。

  TOP  200's TopPage